【早稲田大学】第100回箱根駅伝2024へ~新入生情報や戦力分析&持ちタイムなど!

 新年度ももう前半戦が終了しました。各大学ある程度の収穫と課題があったのではないでしょうか。当サイトでも、大学長距離各チームの2023年度のメンバーの紹介と実績、簡単な戦力分析を行いたいと思います。もちろん、新入生も紹介していきます。

続いて、
各学年エース格が躍動!上り調子の箱根御三家!早稲田大学です。

ページコンテンツ

【早稲田大学】第100回箱根駅伝2024へ~新入生情報や戦力分析&持ちタイムなど!

 ここ数年、早いエースがいながら、中々煮え切らない戦いが続いていた早稲田大ですが、昨年は上昇気流に乗った1年でした。昨年6月に、かつての優勝メンバー花田勝彦さんが監督に就任、持ち前のスピードに持久力も兼ね備えたのだ。

 箱根予選は、トップ通過争いをしての4位通過、全日本駅伝は序盤から攻めのオーダーを組み、4区で2位進出、途中で順位を落とすも終盤の長距離2区間で順位を上げて6位でシード権を獲得。

 迎えた箱根路は、序盤2区間は若手で凌ぐと、3区で当時の4年生エースが9人抜きで上位に進出。6区で3位に上がる見どころを作って、総合6位。安定した戦いで復活シード権を獲得した。

 今年度、実力あるルーキーが入り、各学年エース格が揃った。3年石塚選手が1万m27分台を出すと、4年主将菖蒲選手が3障で関東ICを超える活躍。ユニバで世界の舞台にも立った。2年生以下も山口・工藤選手が関東IC入賞。

 さらに、駅伝強化プロジェクトのクラウドファンディングを敢行。世界での強化合宿や試合を、積極的に行っていくための支援を募っていた。駅伝とそれを超える活躍にも、目が離せない早大の戦力をまとめ直します。

スポンサーリンク

新チーム各学年戦力分析

※持ちタイムは8月1日地点
※関東ICは1部

4年生主力選手について

辻 文哉④28分54秒74/13分49秒31≪20全1区6位≫
菖蒲敦司④28分58秒10/13分55秒83≪23ユニバ3障3位、日本3障3位、関東IC3障1位、箱9区9位、22全6区15位、予257位、関東IC1500m3位・3障1位、21全4区5位、出1区2位≫
北村 光④29分00秒51/13分58秒64≪23箱6区3位、22予130位、関東IC3障6位、21:関東IC3障8位、箱6区8位≫
桝本匡哉④29分17秒37/14分04秒01≪23関東IC1500m7位、22関東IC1500m、箱6区19位、21:U20日本1500m3位≫
佐藤航希④29分35秒12/13分59秒96≪23関東IChalf、箱4区6位、22全8区5位、予16位、箱9区14位、21:全6区17位≫
濱本寛人④30分17秒78/14分35秒66

 なんといっても、早大屈指のスピードランナー菖蒲選手が大活躍しましたね!関東ICは、2年連続で1500mや3障に出場していましたが、今年は3障に絞って出場。関東IC3連覇を果たすと、日本選手権で8分28秒のベストで3位、ユニバでも3位!持っているポテンシャルをいかんなく発揮しています。

 そして駅伝でも勝負強さを発揮。2年時には1区でラストスパートを活かす戦いや、中盤区間で単独で追い上げた経験もあり。初箱根路となった今年の箱根は、復路のエース区間9区に出走。3位争いでしのぎを削った。1区を希望しているものの、多くの区間で対応ができる。3年生以下にも有力ランナーが多い中、光る存在だ。

 駅伝で、もう一人頼もしい存在になるのが佐藤選手。高校時代からロードに定評があったものの、3年時の箱根予選で覚醒し個人16位。全日本8区箱根4区で区間上位に入ると、歴史ある延岡西日本マラソンで優勝を果たした。春は不調だったが、それは昨年通り。全日本から全開なら面白くなる。

 この他では、1年時に全日本1区を走った辻選手が、怪我から復帰。少しずつ記録会に出られるようになってきた。先日の士別ハーフで64分24秒でチームトップ。夏合宿前に、ここまで走れるようになったのは、秋楽しみだ。

 さらに箱根6区山下りを走っているメンバーが2人いるのも、この世代の特徴。2度走りどちらも区間上位の好走しているのが北村選手。今年58分台で区間3位で走っている選手がいるのは箱根の強み、また一度は知っている栁本選手が、春先好調で関東IC1500m7位。スピードは持っている彼らの動向にも注目だ。

3年生主力選手について

石塚陽士③27分58秒63/13分33秒86≪23関東IC1万3位、箱2区10位、22全3区3位、予51位、箱4区6位、21:全5区4位、出4区1位≫
菅野雄太③29分25秒21/14分06秒75≪23関東IChalf11位箱10区10位、22予96位≫
伊藤大志③29分42秒24/13分35秒70≪23関東IC5千5位、箱5区6位、22全7区5位、予39位、箱5区11位、21:全1区7位、出5区12位≫
諸冨 湧③30分07秒86/14分03秒51≪23関東IC3障6位、22予125位、21:箱5区19位、20:全6区8位≫
和田悠都③30分13秒70/14分24秒77
伊福陽太③30分15秒42/14分35秒54≪23関東IChalf、箱8区10位≫
中山遥稀③30分48秒53/14分33秒74
草野洸正③30分52秒44/14分28秒66

 エースが面白くなってきましたね。今年の箱根2区を走って追い上げ体制を作った石塚選手が大活躍。4月日体大で1万m27分58秒!一気に27分台ランナー仲間入りすると、5月GGNでは13分33秒86とこちらも学生の枠を超えてくる自己ベスト。

 連戦の疲れもありながらも、関東ICは、28分台で3位と高い安定感を示しました。これでいて、駅伝やロードは、1年の頃から、アップダウンなどタフな条件に強い選手。トラックでの走力が上がった中、三大駅伝でどれだけの活躍ができるのか本当に楽しみです。

 さらに、2年連続箱根山登りの伊藤選手も、トラックシーズンから躍動。関東IC5千で優勝争いをしながらの5位入賞、さらに4月金栗記念・7月ホクレンと連続して13分30秒台をマーク。やっぱり、一線級のスピードが魅力のランナー。スピードエース区間での活躍が見たい選手だ。

 これに箱根復路を走った一般入試組が主力になっているのがこの世代。箱根では伊福選手が8区、菅野選手が10区。選手層が決して厚くない早大の穴を埋めた選手だ。このうち、春は菅野選手が好調で1万m29分25秒ベスト、関東ICハーフでも11位と入賞に迫った。次の箱根でも彼らの頑張りが必要なはずだ。

 この他では、箱根山登りの経験のある諸冨選手が復調。関東ICではレベルの高い1部で3障6位入賞。その後、5千m14分03秒のベストを出した。また、和田選手が自己ベストを連続更新、一般入試3人目の選手として上がりつつあります。やはり箱根に向けて、この世代からは目が離せない。

2年生主力選手について

間瀬田純平②29分13秒46/13分55秒83≪23関東IC1500m、箱1区14位、22全1区11位、予114位、U-20世陸1500m、関東IC1500m10位≫
山口智規②29分35秒47/13分34秒95≪23関東IC5千3位、22全4区3位、予289位≫
藤本進次郎②30分15秒41/14分18秒04
門馬海成②30分46秒17/
須山向陽②/14分15秒33
宮岡凜太②/14分16秒96

 2年生は少数精鋭となっていますね。エース候補となっているのは山口選手ということになるでしょう。昨年の秋シーズンは、箱根予選・本選ともに大量不良に見舞われたものの、全日本駅伝は状態が上がらない中4区3位、その潜在能力の高さを発揮した。

 関東ICは5千mに出場し、最後のラストスパート争いで上がってきての3位入賞。その後、ホクレンで13分30秒台ををマーク。やはりスピードを見ると、将来のエース候補といっていい存在だ。

 これに、1500mが得意種目の間瀬田選手も続く。前年度は全日本・箱根友に1区を担当。今年は関東IC予選落ちとなったが、東京六大学では3分43秒の好記録をマークしている。春は我慢のシーズンだったが、夏の飛躍に期待。

 この他は、まだ差があるものの、高校時代実力者藤本選手が少しずつ記録会で存在感を示すようになってきた。須山・宮岡選手らも上がってくると、総合力も高くなってくるだろう。

新入生情報~5000m持ちタイムと全国大会成績も!

※自己ベストは、4月1日地点

山崎一吹①(学法石川)13分57秒82≪23関東IC5千16位、22高校3区14位≫
工藤慎作①(八千代松陰)13分58秒00≪23関東IC1万6位、全国5区4位、22高校3区5位、IH5千m10位≫
長屋匡起①(佐久長聖)14分06秒75≪22高校5区5位≫
小平敦之①(早稲田実業)14分19秒90
武田知典①(早稲田実業)14分32秒35
5000m上位5名平均:⑪早大14分10秒9
宮本優希①(智辯和歌山)14分46秒57≪23関東IC1500m≫
高尾啓太朗①(佐倉)14分51秒48
安江悠登①(西武文理高)14分53秒73
増子陽季①(大田原)14分55秒27
栗原周平①(真岡)15分06秒77
川端春叶①(北見北斗)15分11秒09
高橋優喜①(浜松北)W

 1年生は、”主力候補トリオ”がいて、湧いていますね。一番活躍しているのは工藤選手。高校駅伝・全国駅伝ともにエース区間で区間一桁と力はあったものの、4月日体大初1万mいきなり28分31秒をマークし世代トップに!関東ICでも6位に入賞、1年生で1万m入賞はなかなか見られないこと。将来、マラソンも見据えているそうなので、駅伝での活躍がとても楽しみです。

 持ちタイム一番だったのは山崎選手。13分57秒82の記録を高校時代に樹立しましたが、4月に13分50秒40とさらに更新!関東IC5千でも決勝に進出するなど、活躍。今後もトラックに主軸を置きたいという。長屋選手は、貧血に苦しんでいましたが、改善した今は絶好調。士別ハーフで64分台をマーク、長い距離は既に苦にしないそうで今後楽しみだ。

 つまりが、即戦力レベルの選手が3人もいて、上級生のスピードランナーの、駅伝レギュラーが確約されていないという状況にもなっている。1年生はほかにも、附属高校から小平・武田選手が上がってきて、5000m上位5人は11番。スポ推枠が少ない早大としては高い水準だ。他にも、関東IC1500mに出場した宮本選手らもいて、中々面白い世代になりそうだ。

【早稲田大学まとめ!】箱根駅伝2024へ向けて

・菖蒲選手が、3障でインカレ・世界の舞台で活躍!
・石塚選手が1万m27分台!伊藤山口選手5千m13分30秒台!
・工藤選手ら1年生トリオで活躍!各学年主力揃った!

 早稲田大が充実の一途と辿っていますね。トラックシーズンは各学年活躍していました。とりわけ目立っていたのが4年菖蒲選手。関東IC3年連続優勝すると、日本選手権3位、ユニバで3位。学生の域を超えて活躍した。

 ロードでエースとなっている3年石塚選手が1万m27分台、5千m13分33秒と学生トップクラスとなる自己ベスト。関東ICでも連戦で結果を残した。

 さらに高校時代から、抜群のスピードを誇っていた3年伊藤・2年山口選手も関東ICで活躍。5千mで山口選手が3位、伊藤選手が5位に入った。その後、ホクレンでも5千m13分30秒台。駅伝でもいい成績を残している彼らの、秋シーズンも楽しみ。

 そして1年生も、既にルーキー離れの活躍。山崎選手が5千m13分50秒ベストを更新すると、工藤選手が1万m28分31秒ベスト!関東ICでも6位に入ると、貧血で遅れていた長屋選手はハーフで64分台!もう主力と言っていいでしょう。

 スポ推枠が少ない特有の選手層の薄さはあるものの、長い距離なら佐藤・菅野選手らも控えているので、十分戦える状況。三大駅伝で、表彰台までなら早大が顔を出す可能性、十分ありそうだ。


hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。