【箱根駅伝2023(第99回)】10区を定点別に振り返る~順大西澤VS駒大青柿選手の区間賞争い!

そろそろ箱根駅伝2023の余韻が冷めつつありますかね。

レース内容をもう一度じっくりと振り返ってみたいと思います。

続いて、
勝負が決するラスト23㎞!10区

 最終10区、駒大が2年ぶり総合優勝へ突き進む中、
 青学大以下3位争い、シード権争い、

 最後まで、順位をめぐる攻防が、多くありました。

定点間分析をしながら、振り返ります!

ページコンテンツ

【箱根駅伝2023】10区定点間分析

まずは出走者を持ちタイムと、過去の実績とともに見てみます。

スポンサーリンク

10区走者走順&実績

1位駒大・青柿 響③28分20秒42≪22箱10区6位≫
2位1:33中大・助川拓海④28分49秒58≪22関東IChalf11位、21全4区13位≫
3位6:33青学・中倉啓敦④28分33秒71≪22箱10区1位、21箱10区4位≫
4位6:47創価・石丸惇那①28分46秒37≪22全4区11位、出4区7位、21高1区18位≫
5位7:06法大・高須賀大勢③29分17秒06≪21予104位≫
6位7:22早大・菅野雄太②30分19秒19
7位7:23國學・佐藤快成②half63分12秒
8位8:43順大・西澤侑真④28分45秒39≪22全6区2位、出5区7位、箱7区6位、21:箱8区10位、20箱8区9位≫
9位10:29東洋・清野太雅④29分03秒59≪22箱10区2位、21箱10区9位≫
10位10:31城西・山中秀真③28分57秒70≪22予75位、21:予102位、20:予221位≫
11位11:45東国・堀畑佳吾④28分54秒91≪22出5区8位、箱4区12位、21全4区11位、20全6区12位≫
12位11:51明大・漆畑瑠人④28分53秒09≪22予67位、関東IC5千m14位、21予168位≫
16位17:55[13]14:32日体・大森椋太③29分01秒32≪22予73位、21:全5区16位≫
13位15:13[14]15:13帝京・日高拓夢③29分19秒03
14位15:14[15]15:14東海・丸山真孝③29分03秒81
17位18:12[16]15:21大東・谷口辰煕④28分46秒52≪22全7区14位、予111位、21予70位≫
18位21:30[17]15:49立大・安藤圭佑②29分13秒26≪22予53位、21:予77位≫
15位16:20[18]15:51山学・篠原 楓④29分26秒37≪22予197位、箱10区14位、21:予178位、箱8区20位≫
20位25:37[19]20:00専大・小島光佑④29分29秒01≪21:予208位≫
(21)25:49[19]20:00慶大・貝川裕亮④29分54秒99≪22予85位、21予172位、20予226位、19予290位≫
19位24:16[19]20:00国士・川勝悠雅①29分33秒29≪22予106位、21高7区32位≫

 2年ぶり総合優勝が見えてきた駒大は青柿選手。エース格の花尾選手を残しておく予定でいたが、青柿選手も1万m28分台のスピードがあり、何より前回の経験者だ。中大は、上尾ハーフで62分台を出して、最初で最後の箱根路を掴んだ助川選手。まずはそれぞれの力を出し切れるか気になった。

 注目は、この区間の区間記録を持つ青学中倉選手。今年は怪我が続いていたものの、2年連続のアンカー出走に間に合わせた。また順大は、全日本6区区間記録を更新した西澤選手を、この区間に残し、最後の逆転を狙う。
 シード権争いは、逃げる東洋大が3年連続アンカーで、前回区間2位清野選手を投入。城西大も、過去2年箱根予選で安定している3年山中選手を残して、逃げにかかる。

 追いかえる東国大と明大はいずれも4年生の堀畑・漆畑選手。実績としては、前回往路4区を担っている堀畑選手が力があるか。これにスピードランナー漆畑選手がどうなるか。9位争い・11位争い共に、並走して走れるタイム差だ。

 この他、1分半以内の13番~18番の争いや繰り上げの3チーム。学年で見ると上級生が多い中、創価大石丸・国士川勝選手と、この区間珍しい1年生が2名出走していること。各チームの思惑を感じながら、最後の区間が始まった。

定点間分析①:鶴見中継所~蒲田

レース展開

1.8km新川橋
①青柿(駒大)
②1:31助川(中大)
③6:27中倉(青学)
④6:48石丸(創価)
⑤7:05高須賀(法大)
⑥7:25佐藤(國學)
⑦7:32菅野(早大)
⑧8:46西澤(順大)
⑨10:32清野(東洋)山中(城西)
⑪11:45堀畑(東国)
⑫11:48漆畑(明大)
[13]14:50大森(日体)
[14]15:17日高(帝京)谷口(大東)丸山(東海)
[17]15:55安藤(立大)
[18]16:00篠原(山学)
[19]20:13小島(専大)川勝(国士)貝川(慶大)

参照動画

2㎞:東国堀畑選手に明大漆畑選手が、追いつき11位並走

3㎞:駒大青柿選手1㎞をやや3分を切るところ。六郷橋の下りで足を滑らせる動きあり

3.3km六郷橋(カットあり)
①青柿(駒大)
②1:30助川(中大)
——
③中倉(青学)-24秒-④石丸(創価)-28秒-⑤高須賀(法大)
-12秒-⑥佐藤(國學)-11秒-⑦菅野(早大)-64秒-⑧西澤(順大)

⑨山中(城西)清野(東洋)-70秒-⑪堀畑(東国)漆畑(明大)

[13]大森(日体)-20秒-[14]日高(帝京)谷口(大東)丸山(東海)
-30秒-[17]安藤(立大)-8秒-[18]篠原(山学)

[19]川勝(国士)-3秒-[20]貝川(慶大)小島(専大)

参照動画

4㎞:2位中大助川選手11分40秒で通過。僅かに駒大との差を詰めてきている

4㎞:3位青学中倉選手11分36秒、6秒自身の区間記録から遅れてるだけ

4.7㎞雑色駅前
①青柿(駒大)
②1:30助川(中大)
③6:28中倉(青学)
④6:51石丸(創価)
⑤7:25高須賀(法大)
⑥7:31佐藤(國學)
⑦7:46菅野(早大)
⑧8:50西澤(順大)
⑨10:47山中(城西)
⑩10:48清野(東洋)
⑪11:51堀畑(東国)漆畑(明大)
[13]15:15大森(日体)
[14]15:31日高(帝京)丸山(東海)谷口(大東)
[17]16:00安藤(立大)
[18]16:11篠原(山学)
[19]20:41川勝(国士)
[20]20:52貝川(慶大)小島(専大)

参照動画

5㎞:大八木監督「勝つぞ!」の掛け声に、青柿選手が右手を上げて応える

5.4㎞:9位に城西山中選手が単独、5秒程遅れて東洋清野選手10位

5.9km蒲田

区間記録:98回中倉(青学)17分21秒

2位青柿(駒大)17分15秒①
3位助川(中大)17分16秒②1:34
1位中倉(青学)17分14秒③6:32
5位石丸(創価)17分25秒④6:56
17位高須賀(法大)17分45秒⑤7:35
8位佐藤(國學)17分28秒⑥7:35
15位菅野(早大)17分43秒⑦7:50
7位西澤(順大)17分27秒⑧8:54
11位山中(城西)17分35秒⑨10:50
15位清野(東洋)17分43秒⑩10:57
5位堀畑(東国)17分25秒⑪11:55
4位漆畑(明大)17分20秒⑪11:55
19位大森(日体)18分06秒⑰18:46[13]15:23
13位日高(帝京)17分39秒⑬15:37[14]15:37
9位谷口(大東)17分31秒⑯18:28[14]15:37
12位丸山(東海)17分38秒⑬15:37[14]15:37
9位安藤(立大)17分31秒⑱21:46[17]16:05
14位篠原(山学)17分42秒⑮16:47[18]16:18
18位川勝(国士)18分04秒⑲25:05[19]20:49
20位貝川(慶大)18分19秒(21)26:53[20]21:04
21位小島(専大)18分24秒⑳26:46[21]21:09

区間記録ペースで突っ込む青学中倉選手ら上位に、創価石丸選手も
 一番早い入りだったのは、区間記録保持者の青学中倉選手。4㎞11分36秒で入ると、5.9㎞蒲田定点で17分14秒。これは前年の自信の記録より7秒早いタイム。中倉選手本人はラストラン、最後にもう一つ意地を見せにいく形か。

 これに秒差で続いたのは、駒大青柿選手と中大助川選手の上位2人。このあたりは、流れも良いし実力者が走っているので、自然と上がってくるでしょうか。最後の区間も、かなりのレベルで首位争いとなっていた。

 これに上位勢でタイムで食らいついているのが、4位走行の創価石丸選手。前、青学中倉選手が14秒差から遠ざかる展開。六郷橋の3㎞で既に24秒差になったが、ほぼそこからキープした形。2年ぶり総合3位以内に、思い切って追いかけた形。この勢いが続くか、次の定点が気になるところだった。

 後ろは、法大高須賀選手が比較的ゆったりとした入りで、創価大と39秒差に。これに、17秒後ろだった國學佐藤選手が追いついて総合6位に。早大菅野選手はついていかず、総合7位となっていた。このあたり大学駅伝初出場の選手に託していますが、どうなっていくか。

シード権を追う東国堀畑・明大漆畑選手、やはり早い入り
 まず、逃げる城西・東洋大は、城西山中選手が一歩リード。一旦併走状態になっていたが、5㎞手前から城西山中選手が単独9位、清野選手は応戦せずに単独10位。蒲田定点で7秒差となった。両者二けた順位で、そこまでスピードはあげていない。

 逆転しないといけない東国堀畑・明大漆畑選手はやはり速い。2㎞で漆畑選手が追いつき併走となっていたが、17分20秒台の区間記録付近のペースで蒲田を通過。これは上位3名についで、4番5番のタイム。

 予定していたペースではなかったでしょうが、23㎞で逆転を考えると早い段階で視界に入る差に追い上げたい。この時点で、シード権との差は58秒差。6㎞で20秒程、詰まった。この次の定点でも勢いが続いているかだった。

定点間分析②:蒲田~新八ッ山橋

レース展開

6㎞:5位法大高須賀選手に、國學佐藤選手追いつく 7位に早大菅野選手
6.7㎞:国学佐藤選手が法大高須賀選手の前に出る

10km:5位法大国学の後ろ15秒差、7位早大 差は変わらない

10.8㎞:9位城西山中選手の背後、東洋清野選手が再び追いついてくる
11.8㎞:山中選手に東洋清野選手が追いついた

11.9㎞青物横丁駅前
①青柿(駒大)
②1:51助川(中大)
③6:59中倉(青学)
④7:32石丸(創価)
⑤7:55佐藤(國學)高須賀(法大)
⑦8:11菅野(早大)
⑧9:03西澤(順大)
⑨11:31山中(城西)清野(東洋)
⑪12:07堀畑(東国)
⑫12:34漆畑(明大)
[13]15:53大森(日体)
[14]16:15丸山(東海)谷口(大東)日高(帝京)
[17]16:32安藤(立大)
[18]16:41篠原(山学)
[19]21:37川勝(国士)
[20]22:19貝川(慶大)
[21]22:51小島(専大)

参照動画

12.7㎞:清野選手が前に出る、山中選手つく

12-13km:駒大青柿選手1㎞3分08秒、それまでの1㎞2分59秒からは落ちた
それでも中大との差は広げている

13.3km新八ツ山橋
(定点間7.4㎞)

区間記録:98回中倉(青学)21分36秒<38分57秒>

1位青柿(駒大)22分08秒<1>39分23秒①
4位助川(中大)22分25秒<3>39分41秒②1:51
9位中倉(青学)22分37秒<5>39分51秒③7:01
17位石丸(創価)22分53秒<10>40分18秒④7:42
5位佐藤(國學)22分27秒<6>39分55秒⑤7:55
7位高須賀(法大)22分33秒<10>40分18秒⑥8:01
6位菅野(早大)22分32秒<8>40分15秒⑦8:14
2位西澤(順大)22分12秒<2>39分39秒⑧8:59
14位山中(城西)22分48秒<14>40分23秒⑨11:31
11位清野(東洋)22分42秒<15>40分25秒⑨11:31
3位堀畑(東国)22分23秒<4>39分48秒⑪12:10
18位漆畑(明大)22分59秒<13>40分19秒⑫12:47
12位大森(日体)22分45秒<18>40分51秒⑰19:23[13]16:00
13位谷口(大東)22分47秒<10>40分18秒⑯19:07[14]16:16
15位丸山(東海)22分52秒<16>40分30秒⑬16:21[15]16:21
15位日高(帝京)22分52秒<17>40分31秒⑬16:21[15]16:21
10位安藤(立大)22分39秒<7>40分10秒⑱22:17[17]16:36
8位篠原(山学)22分34秒<9>40分16秒⑮17:13[18]16:44
19位川勝(国士)23分05秒<19>41分09秒⑲26:02[19]21:46
20位貝川(慶大)23分43秒(20)42分02秒(20)28:28[20]22:39
21位小島(専大)24分14秒<20>42分38秒⑳28:52[21]23:15

駒大青柿選手が定点間トップ素晴らしい伸び、完全に首位固め
 基本的に平坦が多いですが、13.4㎞の新八ッ山橋までに、ある程度レースが動くこともある。少し疲れが出始める所でアップダウンがあるためだ。また、ここまでに失速気味の選手はそのまま苦しい場合もあるので、注目の定点だった。

 この定点間、最も早いのは、トップを走っていた駒大青柿選手。区間記録程ではないものの、しっかり1㎞3分はキープしている計算。もう少しあとの解説では、「大八木監督の檄があると、1㎞3分を切ってくる」らしい??

 2位中大助川選手も、定点間4番とまずまずペースをキープしているものの、ここは青柿選手が早かった。その差、1分51秒と開いた。3位青学中倉選手は、この定点間は昨年より1分以上時間がかかり、絶好調ではなかったか。4位追いかけた創価石丸選手は、この定点間17番と伸びを欠いていた。

國學佐藤選手が2人抜き!順大西澤選手も定点2位エンジン掛かる
 その後方5位争いが過熱してきていた。國學院佐藤選手が好調で、蒲田前で並走となった法大高須賀選手を振り切って総合5位に浮上。定点間も5番目と、好ペースをキープしています。

 見える範囲でまだ追いかけている法大高須賀選手と早大菅野選手も、定点間一桁に浮上してきていて、4位から7位が32秒差と、ゴール10㎞前にしてまた縮まってきた。

 そして、その後ろ気になった順大西澤選手が、やはり追いかけてきた。今回の箱根駅伝が、4年連続で復路を走るなど、ロードで強さを発揮する選。この定点間2番目となる22分12秒の好タイム。1分20秒あった前方の差は45秒となっていて、前は視界に入っているだろう。やはり実力者、さらに縮まってくると思われる。

シード権を追う東国大堀畑選手が勝負をかけ定点間3位
 シード権争い、一時単独9位となった城西山中選手ですが、11㎞を過ぎて再び東洋清野選手と並走に。待ったのか、自然とそうなったかは分かりませんが、シード権争い渦中でまだ残り10㎞以上、結果的に良かった面もあったかも??

 追いかける11位は、東国大堀畑選手が単独となっていたが、その差が一気に縮まった。定点間3番となる22分23秒のハイペースは勝負をかけたか。39秒差は、しっかりと視界の先に見える位置だ。ここまでくるとまだ分からない形。

 明大漆畑選手は、早い入りに息切れしてしまったか。定点間18番目のタイムで、堀畑選手との差が37秒差。勝負はかけたものの、シード権獲得は、かなり苦しくなってしまった。

定点間分析③:新八ッ山橋~田町

16.5km田町
(定点間3.2㎞)

区間記録:98回9分11秒<48分08秒>

3位青柿(駒大)9分25秒<1>48分48秒①
5位助川(中大)9分29秒<3>49分10秒①1:55
10位中倉(青学)9分33秒<6>49分24秒③7:09
4位佐藤(國學)9分28秒<5>49分23秒④7:58
17位石丸(創価)9分41秒<12>49分59秒④7:58
11位高須賀(法大)9分34秒<11>49分52秒⑥8:10
8位菅野(早大)9分30秒<9>49分45秒⑦8:19
1位西澤(順大)9分16秒<2>48分55秒⑧8:50
12位山中(城西)9分36秒<12>49分59秒⑨11:42
12位清野(東洋)9分36秒<14>50分01秒⑨11:42
9位堀畑(東国)9分32秒<4>49分20秒⑪12:17
19位漆畑(明大)9分52秒<16>50分11秒⑫13:14
14位大森(日体)9分37秒<18>50分28秒⑰19:35[13]16:12
5位谷口(大東)9分29秒<10>49分47秒⑯19:11[14]16:20
15位日高(帝京)9分40秒<16>50分11秒⑬16:36[15]16:36
15位丸山(東海)9分40秒<15>50分10秒⑬16:36[15]16:36
2位篠原(山学)9分21秒<7>49分37秒⑮17:09[17]16:40
5位安藤(立大)9分29秒<8>49分39秒⑱22:21[17]16:40
18位川勝(国士)9分46秒<19>50分55秒⑲26:23[19]22:07
20位貝川(慶大)9分58秒(20)52分00秒(20)29:01[20]23:12
21位小島(専大)10分31秒<20>53分09秒⑳29:58[21]24:21

國學佐藤選手4位浮上、順大西澤選手ここで定点間トップに!
 定点間3㎞ですが、差が詰まってきているところは順位変動が起きていた。國學院大佐藤選手が、一気に創価大石丸選手に詰め寄り、この定点間で総合4位に浮上していた。

 高校時代からロード巧者で、前田監督からは、早くから5区山登り候補になっていた。でしたが、故障が多く今回がようやく大学駅伝初エントリー。直前まで出走予定ではなかったが、

 故障でこの区間出走予定だった中西大選手が、痛みの悪化で出走を断念。急遽10区を任されることとなった。それでこの走りなのだから、やっぱりポテンシャルは非常に高い。9区7位から一気に4位浮上だ。

 追いかける8位順大西澤選手は、この定点間を9分16秒のペース。これは断トツで定点間トップ!中盤にきて、一気に他の選手と実力差を示した形だ。前早大とは31秒差となった。

17番目山学篠原&立大安藤選手ら定点間2番!4選手が目の前!
 後方のランナーも動きがあった。13番目を走っている日体大森選手が、ここまで区間18位。こうなると18番目までをめぐる動きが激しくなってくる。

 スタートしてすぐ、大東谷口・帝京日高・東海丸山選手が14番目で並走。新八ッ山橋まではひと塊だったが、谷口選手が一気にペースアップ。定点間5番目でかけぬけて単独14番目浮上。日体大との差8秒と迫ってきた。

 そして、帝京日高・東海丸山選手の後方も詰まってきた。17番目立大安藤選手が単独で詰めてきていたが、序盤付かなかった山学篠原選手が、ここにきてギアチェンジ。定点間2番目の9分21秒は驚いた。安藤選手に追いつき、前の2人とも4秒差。

 つまりが、13番目から18番目が28秒差!一斉スタートがあるので、見た目と総合順位が異なるものの、前に選手がいたら、やはり本能で追い抜きたくなるもの。この争いが相当熱くなってきた。

定点間分析④:田町~御成門

レース展開
17㎞:駒大青柿選手堅実、大八木監督の檄があると1㎞3分を切る

17.8㎞:國學院佐藤選手が4位に浮上、創価石丸選手5位へ 6位法大7位早大も見える

18.1km御成門
(定点間1.6㎞)

区間記録:98回中倉(青学)5分00秒<53分08秒>

2位青柿(駒大)5分06秒<1>53分54秒①
7位助川(中大)5分09秒<3>54分19秒②1:58
13位中倉(青学)5分14秒<6>54分38秒③7:17
4位佐藤(國學)5分07秒<4>54分30秒④7:59
16位石丸(創価)5分16秒<14>55分15秒⑤8:08
13位高須賀(法大)5分14秒<11>55分06秒⑥8:18
10位菅野(早大)5分11秒<8>54分56秒⑦8:24
1位西澤(順大)5分01秒<2>53分56秒⑧8:45
4位山中(城西)5分07秒<11>55分06秒⑨11:43
4位清野(東洋)5分07秒<13>55分08秒⑨11:43
11位堀畑(東国)5分13秒<5>54分33秒⑪12:24
19位漆畑(明大)5分28秒<17>55分39秒⑫13:36
11位大森(日体)5分13秒<18>55分41秒⑰19:42[13]16:19
7位谷口(大東)5分09秒<8>54分56秒⑯19:14[14]16:23
2位篠原(山学)5分06秒<7>54分43秒⑮17:09[15]16:40
9位日高(帝京)5分10秒<15>55分21秒⑬16:40[15]16:40
13位丸山(東海)5分14秒<16>55分24秒⑭16:44[17]16:44
17位安藤(立大)5分17秒<8>54分56秒⑱22:32[18]16:51
17位川勝(国士)5分17秒<19>56分12秒⑲26:34[19]22:18
20位貝川(慶大)5分35秒(20)57分35秒(20)29:30[20]23:41
21位小島(専大)5分41秒<20>58分50秒⑳30:33[21]24:56

順大西澤選手が、駒大青柿選手区間ペースに迫る!
 このあたりは、順大西澤選手がスピードに乗っていた。定点間連続トップで前を追い上げていく。前7位早大と21秒、6位法大と27秒差となった。この1.5㎞で約10秒詰まった。ラスト5㎞一気に追い抜くかどうか。

 また、区間賞争いにも、やはり顔を出してきて、駒大青柿選手の53分54秒に対して、53分56秒とその差2秒。青柿選手も安定して上位のペースで走っているが、勢いが凄い。総合順位、区間順位争いともに最後まで注目だ。

9位争いと11位の差が、ここで広がり始める
 そしてシード権争い、11位東国堀畑選手が懸命に追いかけ、田町定点で35秒差となった。でしたが、この定点間、城西山中・東洋清野選手が4番目の好タイム!ずっと二けた順位で走っていたところ、あげてきた。

 堀畑選手は、この1.6㎞では11番目のタイム。その差が6秒開き、41秒差。これは決着か。

山学篠原選手が突き抜けて連続定点2番目!
 田町で詰まっていた13番~18番目の争い。秒差の争いながら、山学篠原選手が好調。立大安藤選手を突き放すと、帝京日高・東海丸山選手も捉えて、見た目15番目に浮上!区間順位も7位に上がってきた。ここでスピードが速いあたり、やはり昨年の経験者といった形だ。

 なお、食らいついている帝京大が総合13位、4秒突き放した東海大が総合14位。山学大が総合15位で、13位とは29秒差、14位とは25秒差。この勢いで突き放せば、総合も浮上。帝京・東海が食らいつけばそのまま。順位をめぐる争いは、最後まで分からない。

定点間分析⑤:御成門~馬場先門

レース展開
20㎞:大八木監督「優勝も大事だが、区間賞も獲らないとだめだ!わかった!?」
藤原監督「あと3㎞で2分、まだ逆転できるぞ!」

20.1km馬場先門
(定点間2.0㎞)

区間記録:98回中倉(青学)5分54秒<59分02秒>

8位青柿(駒大)6分07秒<2>60分01秒①
6位助川(中大)6分05秒<3>60分24秒②1:56
14位中倉(青学)6分12秒<6>60分50秒③7:22
7位佐藤(國學)6分06秒<4>60分36秒④7:58
4位菅野(早大)6分01秒<8>60分57秒⑤8:18
11位高須賀(法大)6分10秒<12>61分16秒⑥8:21
16位石丸(創価)6分21秒<15>61分36秒⑦8:22
3位西澤(順大)5分59秒<1>59分55秒⑧8:37
1位山中(城西)5分57秒<9>61分03秒⑨11:33
1位清野(東洋)5分57秒<10>61分05秒⑨11:33
13位堀畑(東国)6分11秒<5>60分44秒⑪12:28
18位漆畑(明大)6分27秒<18>62分06秒⑫13:56
5位大森(日体)6分02秒<16>61分43秒⑰19:37[13]16:14
11位谷口(大東)6分10秒<11>61分06秒⑯19:17[14]16:26
8位日高(帝京)6分07秒<14>61分28秒⑬16:40[15]16:40
8位篠原(山学)6分07秒<6>60分50秒⑮17:09[15]16:40
19位丸山(東海)6分28秒<17>61分52秒⑭17:05[17]17:05
17位安藤(立大)6分23秒<13>61分19秒⑱22:48[18]17:07
15位川勝(国士)6分16秒<19>62分28秒⑲26:43[19]22:27
20位貝川(慶大)6分32秒(20)64分07秒[20]29:55(20)24:06
21位小島(専大)6分54秒<20>65分44秒⑳31:20[21]25:43

早大菅野選手が仕掛けて定点間4位で総合5位浮上!
 残り3㎞まだまだ上位争いに動きがある。3位青学中倉、4位國學佐藤選手の後ろ、5位争いが大接戦。創価石丸選手が失速してペースダウン。法大高須賀選手が迫ってきていた中、

 一気に突っ込んできたのが早大菅野選手。ほぼ一緒に走り始めた國學佐藤選手は見送って、終盤に脚を残していた。定点間4番の6分01秒で、一気に2人を抜き去って総合5位に浮上。総合5位が目標の早大が、再び浮上。あとは順大西澤選手から逃げ切れるかだ。

決着!9位城西山中・東洋清野選手が定点間トップの捲り!
 そして、シード権争いは完全に決着がついた。ここで9位争いの城西山中・東洋清野選手と、東国堀畑選手の差が、一気に広がって55秒差に。堀畑選手が息切れしただけでなく、

 前の2人が流行った。なんとこの定点間は5分57秒で全体のトップのタイム!並走して、お互い助け合っていたかもしれませんが、これは後ろを寄せ付けない見事な走り。城西大の5年ぶりシード権、東洋大の18年連続シード権がほぼ確実になった。

13番目争い日体大森選手が懸命に逃げる
 13番目の争いもまだ気になる。中盤まで区間下位だった日体大森選手が、この定点間は5番目、この5人の中では最速となる6分02秒のタイム。秒差まで縮めてきた大東谷口選手を再び突き放す走り。中々面白い展開になってきた。

 後ろ、帝京日高・山学篠原選手は併走のまま。東海丸山選手と立大安藤選手は完全に失速という形で、一気に差がついてきた。総合順位では、東海大がまだ14番目だが、4秒差。これは最後に逆転しそうな感じか。このあたりで決着つきそうになってきた。

定点間分析⑥:馬場先門~大手町FINISH

レース展開
20.5㎞:9位争い、城西山中選手がスパート、5m東洋清野選手をリード

22㎞:順大が一気に5位に浮上し日本橋へ、6位早大喰らいつく 少し離れて法大、創価は苦しそう

22.4km常盤橋
①青柿(駒大)
②1:43助川(中大)
③7:12中倉(青学)
④7:49佐藤(國學)
⑤8:08西澤(順大)
⑥8:12菅野(早大)
⑦8:16高須賀(法大)
⑧8:37石丸(創価)
⑨11:18山中(城西)
⑩11:20清野(東洋)
⑪12:37堀畑(東国)
⑫14:15漆畑(明大)
[13]16:02大森(日体)
[14]16:14谷口(大東)
[15]16:25篠原(山学)
[16]16:26日高(帝京)
[17]17:32安藤(立大)
[18]18:10丸山(東海)
[19]22:25川勝(国士)
[20]24:11貝川(慶大)
[21]26:26小島(専大)

参照動画

23.0km大手町FINISH
(定点間2.9㎞)

区間記録:98回中倉(青学)8分48秒<67分50秒>

13位青柿(駒大)9分17秒<2>69分18秒①
8位助川(中大)9分03秒<3>69分27秒②1:42
9位中倉(青学)9分09秒<7>69分59秒③7:14
9位佐藤(國學)9分09秒<4>69分45秒④7:50
1位西澤(順大)8分47秒<1>68分42秒⑤8:07
9位菅野(早大)9分09秒<10>70分06秒⑥8:10
12位高須賀(法大)9分13秒<13>70分29秒⑦8:17
17位石丸(創価)9分39秒<15>71分15秒⑧8:44
2位山中(城西)8分55秒<6>69分58秒⑨11:11
5位清野(東洋)8分59秒<9>70分04秒⑩11:15
16位堀畑(東国)9分36秒<11>70分20秒⑪12:47
18位漆畑(明大)9分47秒<18>71分53秒⑫14:26
7位大森(日体)9分01秒<14>70分44秒⑰19:21[13]15:58
4位谷口(大東)8分57秒<8>70分03秒⑯18:57[14]16:06
2位日高(帝京)8分55秒<12>70分23秒⑬16:18[15]16:18
5位篠原(山学)8分59秒<5>69分49秒⑭16:51[16]16:22
19位安藤(立大)9分56秒<15>71分15秒⑱23:27[17]17:46
21位丸山(東海)11分03秒<19>72分55秒⑮18:51[18]18:51
14位川勝(国士)9分19秒<17>71分47秒⑲26:45[19]22:29
15位貝川(慶大)9分24秒(20)73分31秒(20)30:02[20]24:13
20位小島(専大)10分14秒<20>75分58秒⑳32:17[21]26:40

優勝!駒大青柿選手ラスト3㎞は息切れも、区間2位!
 単独トップを疾走続けていた駒大青柿選手。見事に総合優勝&大学駅伝3冠達成となるゴールテープを切った。退任すると決めていた大八木監督、見事な有終の美となった。

 なお、青柿選手、実は定点別でみると18㎞から少しずつペースが落ちていき、最後の3㎞は13番目となる9分17秒。実はちょっと息切れしていました。でしたが、トップで襷をもらっても、前半からかなり攻めていたところでした。最終的に区間2位でまとめています。しっかり、トップを保持しました。

 2位中大助川選手は1分42秒差でゴール。2分近くまで開いたところ、最後に少し押し戻す形でした。助川選手も全体通して安定していていて区間3位。最初で最後の箱根で力を出し切り有終の美、チームとしても2年連続シード権で一気に準優勝校、非常にいい形だ。

 3位は、トップから7分以上経過してから青学大。中倉選手が、昨年より苦しい走りにとなったものの何とか維持した。7分の大きな差だが、5区で2分・6区で7分差が付いたので、平地8区間はほぼ駒大と互角。前回王者の意地は、しっかりと見せつけた。

 4位に國學院大佐藤選手。最後はじりじり青学大にも詰め寄っての4位だった。出雲・全日本どちらも2位だったことを考えると悔しいが、4年生エースが走れず、初出走の若手を何人も起用しての総合4位、手応えもバッチリだ。

順大西澤選手が断トツの定点間トップ!一気に総合5位浮上でゴール!
 さて、馬場先門でもまだ混戦だった5位争い。残り1㎞のカメラで最初に映っていたのは…なんと順大西澤選手!20㎞で迫っていたものの、5位とは20秒程差があった。

 それが、区間トップのタイムできていて、さらになお切り替えて、8分47秒と全体トップ!真ん中付近では走っていた早大・法大とは20秒以上も早いのだから、本当に強かった。68分42秒のタイムは、区間賞で唯一の68分台、最後に突き抜けた。

 直後に6位早大、7位法大がゴール。両校とも、目標順位まであと少しだったが、各区間で見せ場あり。早大は、予選会校で最上位で2年ぶりシード権。花田監督で雰囲気変わってきたか。法大は、出雲メンバーから小泉・松本選手が外れた中、見事なレース。ずっとシード権内で戦った。

 9区終了時4位だった創価大石丸選手がその後ろ。序盤勝負に出たが、さすがに終盤は苦しくなってしまった。とはいえ、1年生で三大駅伝全て出走した経験は大きい。次年度、強力世代が卒業するので、チームを引っ張りたいひとりだ。

城西山中選手定点間2位!東洋清野選手とともにシード権獲得!
 シード権争い、決着はついたが、9位争いはまだ決着がついていなかった。両者ともハイペースを維持していたが、最後に抜け出したのは城西山中選手。最後も定点間2位のタイムで駆け抜け、見事に総合9位。5年ぶりにシード権を獲得した。予選会校からは2校目の獲得だった。

 そして、10位ギリギリで東洋大。清野選手が前回ほどの状態ではなかったようですが、それでもプレッシャーがかかる中、何とか大役を果たした。エースが離脱し、代わりの2区の選手も体調不良明け、他にも起用できなかった選手がいて苦しんだが、継続最長となる18年連続シード権を死守した。悔しさと安堵感と、何とも言えない感じだった。

 逆に届かなかったのが東国大。4年生が強くて、勝負の年だったが…どうしても今年度の駅伝シーズンは調子が整わなかった。勝負をかけた東国大堀畑選手の奮闘実らず、1分32秒差次点となった。12位明大は、見せ場を作るも、9区10区で力尽きてしまった。もう一度予選会からとなった。

帝京日高選手が定点間2番目タイ!13番目争いは全員ラップ早く!
 その後ろ、13番目の争いは激しかった。13番目日体大森選手が逃げて、14番目大東谷口選手が懸命に追いかける展開。最後に定点間4番のタイムで猛追したが、大森選手が逃げ切ってゴール。総合では16位大東、17位日体大だった。

 そのあと、並走となっていた帝京日高・山学篠原選手が激しいバトル。高架橋で切り替えた日高選手が15番目。なんとラスト3㎞は2番目タイの8分55秒!篠原選手も5番目のタイムで走っていて、この4名全員が最後は一桁の順位。最後まで熱い走りを繰り広げていた。

 続いて、1分以上空いた。最後に力尽きたが立大安藤選手が17番目でゴール。往路より少し戦えていたところもある。次に注目だ。東海丸山選手は、最後アクシデント気味の失速となり、そこから1分遅れ。4区まで健闘も、5区以降予定の選手がうまくいかなかった。両角監督は「雰囲気を変えたい」ということだが、果たして…。

 残る3チームは繰り上げ組。最初にやってきたのは、国士大川勝選手。3㎞六郷橋付近から、抜け出して一人で走ってゴール。20番目に連合チーム、補欠だったが他選手と入れ替わった慶大貝川選手が、無事に大手町にフィニッシュした。

 最後になったのは専大小島選手。期待されて入学されながら、怪我が多く中々台頭できず。主力の怪我が続出した中、最後の最後で出番が回ってきたが、ホロ苦の断トツの区間最下位。チームとしても3年連続最下位、手応えはあった中、もどかしい状況だった。

10区まとめ

・序盤~中盤強かった駒大青柿選手、逃げ切って優勝
・躍進の準優勝中大、前回王者青学大は表彰台死守
・故障者多かった國學院大、総合4位力示す
・中盤と終盤で力強さ示した順大西澤選手総合5位浮上
・早大と城西が予選会校からシード権獲得
・攻め込んだ東国大堀畑選手と、城西山中&東洋清野選手見事な終盤
・下位からも、山学篠原&帝京日高選手定点間2番目も!

 駒澤大がついに3冠達成!青柿選手が、特に序盤から中盤のハイペースが見事、区間2位でまとめきって見事に優勝のゴールテープを切った。中央大はアンカー助川選手も区間3位でまとめたが、1分41秒及ばなかった。とはいえ、中大としてはついに躍進できた感じだ。

 青学大は、山で悪夢を見るも、総合3位で表彰台死守。平地8区間は駒大と互角で走り、力があったことは示した。國學院大は、主力が走れずも、新戦力2年佐藤選手が10区で3人抜きし総合4位。ここは来年が楽しみ。

 また、5位に優勝候補の一角順大が入った。アンカー西澤選手が、区間賞の走りで3人抜き。特に中盤以降とラスト3㎞の捲りは凄まじかった。凸凹駅伝でしたが、ここは4年生クインテットの意地でした。

 6位早大が予選会校最上位でシード権獲得。9位城西大と合わせて2校がシード校を破りました。10位東洋大は継続最長となる18年連続シード権。今年はこれが精一杯だった。

 このシード権争いは、10区まで続き、追いかける東国堀畑選手が前半勝負を仕掛けて、1分20秒差を一時30秒台まで追い上げる走り。とはいえ、後半に城西山中・東洋清野選手が脚が残っていて、最後は広がった。定点間終盤でトップの走りは見事だった。

 下位の争いも、見た目13番目の争いが激しく、帝京日高・山学篠原選手が中盤以降に定点間2番となる走りもあり、かなり盛り上がっていました。最後まで順位をめぐる戦いは、優勝・シード関わらず、見応え抜群ですね。

 最終10区まで、99回箱根駅伝は盛り上がりました!


hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。

Share
Published by
hakonankit