箱根駅伝予選会の余韻もそろそろ冷めてきたでしょうか。
徐々に、次の全日本大学駅伝モードに移行していくところですね。
その前に、今回の箱根予選で、一番の話題になった
立教大の箱根駅伝予選会通過について、ですね。
過去最長ブランクとなる55年の時を経て、正月の箱根駅伝に復帰します。
今回の箱根予選での戦いを通してまとめていきたいと思います。
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立教大は、1968年(第44回)の箱根駅伝を最後に、箱根路に立つことはできませんでした。この時は総合11位。15校参加ですが、第48回までは10位までがシード権。10位の早大に僅か8秒届かずにシード権を獲得できず。その翌年から、長い間箱根駅伝に出場できませんでした。
知名度はありますが、大学として強化をしてはいなかったので、致し方ない面はあります。OBが働きかけたりもしましたが、第84回85回(2008・2009)に、関東学生選抜で立教大の選手が走ったことを除いて、中々実を結びませんでした。
そんな中、立教大は2018年に、創立150周年の2024年に、箱根駅伝の出場を「立教箱根駅伝2024」のプロジェクトを立ち上げます。コーチである林さんは、指導者探しのため、同じマンションに住んでいた上野選手(当時DeNA)に、”指導者探しの相談”として話を持ち掛けたのが運命でした。
条件を聞いて自分に合ってると感じられた上野選手は、「僕じゃだめですか」と話に乗ったのです。それが2018年8月のこと。11月には大々的に、”立教大の箱根駅伝強化”と”上野裕一朗監督の就任”が報じられました。一般の駅伝ファンとしても、かなりびっくりした記憶があります。繋がりがない(分からなかった)し、まだ現役で指導者経験なのに…?とちょっと懐疑的なところがありました。
それでも、本格強化よりも前、現役学生が続々と自己ベストを出していくシーンに、外野ながら本気さを感じていったのを覚えています。
一気に、箱根駅伝との距離が縮まったのは前回の箱根予選。覚えている方も多いでしょう。5㎞地点での総合順位が、なんと立教大がトップ!ある程度攻めていくことは決めていましたが、トップは想定しなかったそうで、かなりびっくりされていました。
とはいえ、強化生2年生以下が主体だったチーム。さすがに15㎞で圏内に弾き飛ばされ、最終的に、16位に。とはいえ、上野監督就任以来、初めてボーダーに絡むことができました。上野監督は、”前残りが大事”ということを、感じ取られています。
そして、その作戦を具体的に数値化され、”15㎞を45分で通過する”とします。確かに早い流れに乗っていないと、このタイムは出せません。この作戦は、コースが15㎞以降アップダウンがる小和立川記念コースになると発表されても貫いたものでした。
5㎞ごとの個人成績と順位&チーム順位でみていきます。
START-5km | 5-10km | 10-15km | 15km-FINISH |
19位林②14分52秒 | 10位林②29分27秒 | 26位國安①44分52秒 | 21位國安①63分13秒 |
45位國安①14分56秒 | 38位國安①29分45秒 | 41位林②44分56秒 | 45位中山③63分54秒 |
55位関口③14分57秒 | 46位関口③29分54秒 | 52位関口③45分09秒 | 53位安藤②64分03秒 |
78位中山③15分00秒 | 53位中山③29分55秒 | 59位安藤②45分16秒 | 55位林②64分04秒 |
78位安藤②15分00秒 | 53位安藤②29分55秒 | 61位中山③45分17秒 | 69位関口③64分19秒 |
106位山本②15分02秒 | 86位山本②30分04秒 | 83位永井①45分37秒 | 97位永井①64分41秒 |
113位服部③15分03秒 | 105位永井①30分10秒 | 95位山本②45分45秒 | 143位山本②65分14秒 |
125位永井①15分04秒 | 117位服部③30分19秒 | 168位忠内③46分07秒 | 152位吉屋①65分22秒 |
128位吉屋①15分05秒 | 126位忠内③30分23秒 | 177位内田③46分08秒 | 177位内田③65分42秒 |
129位内田③15分06秒 | 149位内田③30分27秒 | 202位吉屋①46分21秒 | 185位忠内③65分46秒 |
129位忠内③15分06秒 | 164位吉屋①30分29秒 | 209位服部③46分23秒 | 202位服部③66分02秒 |
129位後藤②15分06秒 | 236位後藤②30分43秒 | 282位後藤③47分09秒 | 290位後藤③67分25秒 |
上10名計:4位2:30:05 | 3位5:00:19 | 5位7:35:28 | 6位10:46:18 |
LAP | 6位2:30:14 | 10位2:35:09 | 9位3:10:50 |
今回は、箱根予選でよく行われる集団走はとりいれず、個人個人で15㎞45分をまずは目指していくという形でした。2年林選手が、かなり攻めて入っていて、10㎞地点で日本人上位集団についている形で10位タイでチームトップに。
ほどなく2つほど集団続いて29分45秒で通過した集団内に國安選手が38位、29分55秒前後に大きな集団に、関口・中山・安藤選手がこの集団内、このあとくらいから、選手が途切れない展開で、
5番手山本選手が100位以内、永井・服部・忠内・内田・吉屋選手と点々と続きました。後藤選手はこの時点でやや遅れてきていました。林選手が上位、10番手以内も程よくまとまっていて、この時点で3位と高順位で推移していました。
そしてポイントとなる15㎞。上位集団だった林選手がやや後退しますが、44分56秒。そして、國安選手が非常に安定した走りで1㎞3分切りペースで推移、26位44分52秒とチームトップに立ちます。
さらに、関口、安藤・中山選手も1㎞3分05秒を切るペースで推移。45分10秒前後で3選手が通過します。5選手が15㎞45分をほぼ守れた形です。湿度が高い影響で、他のチームの多くが失速があった中、結構な上位キープ率です。続く、永井・山本選手が100位以内で45分台です。
この後ろは、少し遅れてしまい、主力の一人だった服部選手が息切れ、200位台のチーム11番手へ。8番手~10番手の忠内・内田・吉屋選手も順位ダウン。このあたりが響いてか、10-15kmは10番。後半やや暗雲ですが、前半で稼いでいて総合5位でした。
そして15㎞以降…、國安選手がさらに順位アップ!日本人の第2集団の先頭で引っ張り、そのまま最後まで押し通して、63分13秒の全体21位の高パフォーマンス。期待は高かったですが、この長距離対応は予想以上でした。
続いて、復調してきた前々回の経験者中山選手が、チーム2番手63分54秒の45位に浮上。このあたりはさすがの走りですよね。続いてずっと50位付近で安定した安藤選手が53位64分03秒、落ちてから粘って林選手が55位64分04秒と立て続けてゴールしています。
関口選手も69位64分19秒でそれほどあかずにゴール。上位5名はかなりのレベルで走りました。続いて、永井選手も、100位を切って97位64分41秒でゴール。上位6名が100人切。現在の箱根予選だと6人入るのはいい水準です。
続く7番手、山本選手が終盤苦しみましたが、143位65分14秒でとどめると、8番手から10番手もほどなくきます。15㎞で202位だった吉屋選手が、50人ゴボウ抜きして152位65分22秒。これは見事な粘り。
内田・忠内選手も粘り切って、177位65分42秒と185位65分46秒。200位以内66分以内、走りにくい条件でまとめきって、見事チームに貢献しました。11番手服部選手もここからは粘り66分02秒、後藤選手も67分台には入りました。
序盤からある程度のスピードでいく力、15㎞以降も粘り通す力、しっかり身について、総合6位通過!指導、そして選手個人個人の力が噛み合いまいしたね。
”立教箱根駅伝2024″プロジェクトなので、次回大会に本戦出場を決める予定だったのが、1年前倒し!上野監督の就任が話題が読んで、多くの有力選手が競争部の門を叩いたのは事実ですが、
毎年争いが激しくなっている箱根駅伝予選会を、これだけ早く突破したのは本当に、素晴らしい努力だと思います。若い選手も多いですので、ここからの2ヵ月半でも、まだ伸びる選手がいると思います。
立教大の、”江戸紫色”の襷リレーが、心から楽しみです。
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