もうすぐ新年度になりますね。
大学生駅伝は新しいチームになっていきますが、
その代わり、卒業して、大学駅伝チームを去っていくランナーもいます。
今年度を持って卒業していくランナーを大学別に振り返っていきます。題して、卒業生特集です。
なお、今回は、入学直前の箱根駅伝の成績順で振り返ります。
箱根駅伝2018・16~20位の大学
大東文化大・東京国大・山梨学大・国士舘大・上武大となります
なお、1位~5位の大学についてはこちら
https://hakonankit-fd.com/article/post-19054.html
6~10位の大学についてはこちら
https://hakonankit-fd.com/article/post-19057.html
11~15位の大学についてはこちら
https://hakonankit-fd.com/article/post-19100.html
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多くの選手がスポーツ推薦で入学しています。だいたい高校3年の春~秋あたりに内定となります(一般受験性などは除く)。つまり、箱根駅伝の成績としては高校2年生時の大会が軸になります。そのため、今の4年生が、高校2年生時の成績から見比べていきます。
箱根駅伝常連校の大東文化大でしたが、今の4年生世代が入学したあたりから、大きく低迷してしまいましたね。箱根出場は彼らが大学1年生の世代が最後でした。
その後は、3年連続箱根予選落ち。途中で監督が代わり、新年度も監督が代わるそうです。また、最終学年の時は留学生を導入したり、上昇の気配はありましたが、箱根まであと一歩でした。
1年目戦力になりかけた選手が3名いるのですよね。箱根予選を204位で走った服部選手は、既に29分59秒の持ちタイムを持っていました。佐藤選手も14人のメンバーには選ばれました。さらに、その後1万m29分23秒を出した片根選手が29分23秒を出して箱出走メンバーに。8区を走り区間20位。戦力ダウン中の大東大で、今後キーになると思われました。
でしたが、その後苦しみましたね。2年目の箱根予選は、片根選手がチーム3番手97位と頑張るも、他主力選手が大きく崩れ18位大敗、予選落ちとなります。その後、片根選手が1万m28分49秒を記録。飛躍が期待されます。
3年目は、コーチだった馬場さんが監督に。箱根予選は、過去最高の高速レースでした。下級生が多かった大東大、後方からの追い上げを図ります。この世代では、片根選手が過去最高63分11秒の84位、さらに新戦力藤崎選手が175位64分04秒と頑張りますが、届かず16位に終わります。
4年目になるタイミングで、なんと主力片根選手など一部主力が部を離れてしまいます。それでも残った部員はベストを更新するなど活躍。するとチャンスが訪れます。全日本予選は、藤崎選手らの頑張りもあり3組まで通過圏内に付けます。
箱根予選は、藤崎選手が外れますが、北川選手が成長して、主力の一人として出走します。15㎞まで通過圏内を走りますが、最終的に12位。あと一歩のところで本選出賞を逃しました。
多くの困難がありましたが、その中で頑張った世代です。北川選手は、その後も記録会に出場し5千m14分04秒をマークしています。他では、全日本予選・箱根予選で船倉選手がエントリーに名を連ね、メンバー争いを盛り上げました。
この世代が、高校1年生の時に東京国際大が箱根駅伝初出場をしています。まだ常連校として定着するか分からないところ、いや、これから定着させていこうとしている東京国際大へ進学を決めた世代です。
チームが大きく飛躍したのが2年目。全日本予選初出場トップ通過、箱根予選もトップ通過しました。全日本本戦はいきなり4位シード権獲得、箱根本戦は最後まで3位争いをした上で初シード権となる5位でゴール。4年目さらにチームが進化、出雲駅伝優勝を果たします。注目度が高くなった中、全日本・箱根の5位は格別だったのではないでしょうか。
とはいえ、台頭が特別多かったわけではありません。ちょうど東京国際大がぐっと上昇していく中、スカウトのレベルが年々上がっていました。実力のある下級生との激しいレギュラー争いにもなりました。
そんな中、1年目から箱根駅伝レギュラーとなったのは芳賀選手。学法石川高出身で、持ちタイムは良かったですが、それでも直前に1万m29分37秒を出していました。7区を出走し、区間6位の好走。また、前の大集団に追いついたことも功績が高く、東国大初の繰り上げ回避に貢献しています。
2年目チームが飛躍する中、より一層レギュラー争いが激しくなりますが、勝ち抜いたのはやはり芳賀選手。予選は不出場も、全日本・箱根本戦両方とも出場。全日本は3区を走ります。2位で襷をもらい、一瞬ですが単独トップ疾走する貴重な経験も。箱根は8区区間5位と安定した成績をキープしました。
3年目は苦しいシーズンになります。主力が多く卒業し、さらに芳賀選手が故障で出遅れました。全日本駅伝は10位シード権落ちします。箱根駅伝は、芳賀選手が6区山下り急遽出走、やや対応不足でしたが何とかシード権内で踏みとどまりました。チームも最終的にギリギリ10位シード権を獲得しました。
ここまで台頭に苦労していましたが、チームが向上する中、奮起しました。芳賀選手が年間通して上がってきましたが、4年目になって努力の走り込みで野澤選手が台頭。全日本予選でいきなり3組抜擢で9位と好走。チームのトップ通過に貢献します。
チームが初優勝を飾った出雲駅伝は、出走メンバーはいませんでしたが、全日本駅伝で野澤選手が奮闘。いきなり長距離区間7区を任され、しかもトップで襷を受けます。落ち着いた走りで区間6位、途中までトップを力走しました。
最後の箱根駅伝は、野澤、三浦、渡邉選手と過去最高の3名の世代選手がエントリー。特に主将を務めていた三浦選手が最後まで10区の可能性がありましたが、同級生野澤選手が当日変更で投入となりました。
東洋大と激しい5位争いは、テレビに映らなかった名シーンの一つです。振り切られましたが、前のチームを一つ交わして、5位でゴール。引退レースだった野澤選手自身は区間3位激走。目標の表彰台に届かずも、出雲駅伝を優勝して注目度が違う中、総合5位ゴールは、大きな意味があったと思います。多くの選手が引退しますが、箱根エントリーした渡邉選手が、新しいチームのメイクスで続けます。
この世代の入学前の山梨学院大は厳しい状態でしたね。徐々に箱根駅伝の順位が下降してきているタイミングで入部。最初の年度は出場がやっとの10位通過、本戦ではブービーの21位でした。
2年目になり、飯島監督の体制になりますが、いきなりの強化は難しく、この年についに予選落ち、苦難を味わいます。3年目久々に山学大の巻き返し、コロナ禍の書類選考ながら全日本予選を通過すると、箱根本戦にも復帰となりました。以降、連続で箱根駅伝で再び戦うことが出来ました。
この世代は早い台頭は少なかったのですよね。留学生のオニエゴ選手が記録会で伸びず、初の1万m31分オーバー。最初から強い選手ではなく、育成するということでしたが、それにしても大丈夫なのか?という意見もありました。駅伝シーズンでは、箱根本戦に坪井選手がエントリーしたに留まっていました。
2年目、チームは苦難を味わいましたが、この世代は少しずつ伸びてきていました。トラックで坪井選手が大きく伸びて、全日本予選3組5位の好成績、箱根予選では渡邉選手が個人90位好走で、学生連合に選ばれました。本戦でも9区で堅実な走りを見せたのは印象深いです。オニエゴ選手もサブ留学生としてエントリーするまであがっていました。
3年目から、あの男が覚醒します。トラックのタイムが伸びていて全日本予選を書類選考で通過、箱根予選突破も機運が高まっていましたが、主力の留学生が故障し、代打でオニエゴ選手が出場。しっかりエースの役割を果たして個人19位の力走を見せます。さらに松倉・坪井・成毛選手が出走し、松倉選手が2番手35位力走。2年ぶり本戦の切符を掴みます。
その後、全日本駅伝に出場。さすがに調整が難しいところもありましたが、2区松倉選手5区坪井選手が力走、7区長距離区間オニエゴ選手に16位でリレー。ほぼ単独走となったオニエゴ選手ですが区間3位の力走。このあたりから、本当に力をつけてきたなと感じる駅伝ファンも増えたのではないでしょうか。
箱根本戦は、松倉選手らが故障し、厳しい戦いになりましたが、4区オニエゴ選手が孤軍奮闘。総合順位は19位でもらい、順位は変わらずも区間賞を獲得する熱走。何か今までの留学生と違う強さを感じました。またアンカーは前年連合で力走した渡邉選手。夢の箱根路を一度駆けてしまい、メンタル面で大きな苦労があったそうですが、何とかもう一度走れました。
4年目は、逞しくなった選手が増えました。オニエゴ選手が関東ICハーフ・全日本予選と他校留学生とも戦います。松倉選手も1万m28分台の走力を付けるなど他校のエースとそん色がなくなりました。箱根予選はボーダー校と思われましたが、オニエゴ・松倉選手が上位、成毛・坪井選手らも粘って、下馬評を覆す4位通過でした。
本戦では、松倉選手が怪我で無念の欠場…結局箱根駅伝は走れませんでした。11月に脚を痛め、ぎりぎりまで回復を務めました。往路終了時に監督から、復路を打診されましたが、走れる足でなく、断ったそうです。
そんな中エース区間2区堂々務めたオニエゴ選手が、他校の留学生と競り合い順位を引き上げる走り!66分台区間4位の力走でした。ここまで来るとはだれも予想できなかった!
その後は、苦しい場面も多かったですが、5区6区7区で成毛・矢島・川口選手が4年生リレー。全員が最初で最後の箱根路でしたね。健闘は6区山下りの矢島選手で区間11位力走、川口選手は集団で見せ場もあったと聞きます。それぞれの力走場面がありました。
卒業後は、松倉選手がOBも大活躍している三菱重工に進みます。また、オニエゴ・坪井選手は、新しくたち上がる実業団チーム富士山の名水に。どのようなチームになっていくか楽しみです。
添田監督体制になって、ちょうど箱根駅伝に復帰したあたりの国士舘大に、誘われたのが今の4年生世代と言うことになりますね。
毎年確実に予選を通過して、本戦で戦い、少しずつ全員が力をつけてきていました。最終学年になって、戦力が整い、初めて本気でシード権獲得に挑戦し、本物の悔しさを味わいました。
まず大注目になったのは留学生のヴィンセント選手ですよね。春に28分30秒の自己ベストを出して、駅伝シーズンどれくらい走るか注目されました。箱根予選を61分49秒の全体3位で走り切ると、いきなりエース区間2区登場。チームをトップに押し上げる走りで一躍時の人となりました。また長谷川選手が7区に登場し力走、小早川選手が29分59秒を出してエントリーに選ばれていました。台頭は早かったですね。
2年目は主力選手の多くが卒業、その代わりこの世代の多くの選手が主要大会に選出されていました。全日本予選ではヴィンセント選手以外に、荻原・清水・小早川・長谷川選手の4名が出走メンバーに選ばれていました。
まず落ちるだろうと言われていた箱根予選はエースヴィンセント選手が個人2位の力走を見せると、酷暑の中鉄壁な集団走を披露。まだ主力前の木榑選手が95位奮闘、清水・荻原選手もチーム10番手以内に入り、予選8位通過に貢献しています。
箱根本戦では、将来の期待も兼ねて2年生・1区荻原2区ヴィンセント3区長谷川と並びます。ヴィンセント選手は靴紐が解けるアクシデントが2度ありながらも区間4位。荻原・長谷川選手は実力不足を痛感する結果となりましたが、それぞれ力走します。また、復路で清水選手が7区16位と健闘したのは、一つ収穫でした。
3年目は逞しくなってきました。高速となった箱根予選はヴィンセント選手は60分21秒の個人2位と凄まじい成績。日本人も、清水選手が個人60位最高に、木榑・長谷川選手が奮闘、三代選手は12番手でしたが、このあたりから名前を聞くようになってきました。
本戦では、3年連続2区を務めたヴィンセント選手が区間2位の走りで12位に進出しますが、3区清水選手が波に乗れず後退、4区初登場木榑選手が頑張って区間14位。復路では直前で29分00秒出していた荻原選手が7区区間14位健闘、9区三代選手は何とか繰り上げ回避で襷を繋ぎました。入れ替わりありながら経験者が増えてきましたね。
そして今年度、4年生に主力が増えて本気でシード権を目指していく機運が高まっていました。全日本予選は、この4年間で過去最高の9位。2組で三代選手が組トップで上位校に一撃を入れていました。箱根予選は、攻めすぎて鉄壁の集団走が崩れヒヤリ10位通過。その中、荻原・木榑選手が上位で残り、力がついていることを実感しました。
その後1万m28分台のランナーも増えて、自信を持って臨んだ箱根路。1区~4区に4年生が並びました。大健闘が1区の木榑選手。大集団から16㎞過ぎにこぼれて16位だったはずが、終盤巻き返して区間10位。この追い上げはびっくり!今回の箱根駅伝、最も高校時代の実績が低かったランナーの逆襲でした。
4年連続華の2区ヴィンセント選手も懸命の力走。一気に順位を上げていきます。途中同じ名前の東国大ヴィンセント選手に追いついての競り合いには力がこもったでしょう。抜き去って総合3位へ。1年時の箱根以来、国士大が上位に顔を出しました。
3区荻原選手は、スピードランナー相手にやや苦戦しますが総合9位に踏みとどまってリレー。4区三代選手は区間上位ペースで強気に押していって、シード権ライン上で11位でリレー。例年と違う姿を見せました。復路は7区清水選手が力走しますが、総合力及ばずでした。また、小早川選手が5区候補として頑張り、島村・佐久間選手もレギュラー迫ったことありました。この世代は本当に活躍が多かったです。
卒業後、ヴィンセント選手はスズキ浜松ACへ。本格的にマラソンチャレンジでしょうか?他にも木榑選手ら今年の箱根出走者は全員実業団で競技を続けます。それぞれの続きが楽しみですね。
今の4年生世代が高校生の時は、まだ上武大は箱根駅伝への連続出場を続けていました。ただ、入学直前と入学後の箱根駅伝は2年連続最下位と徐々に高速化の波にさらわれていっていました。
そして…結局この世代が主力となってくる2年生以降は、すべて予選落ちしてしまいました…。今年度は、主力選手が多く全身全霊で本戦を狙いましたが、叶いませんでした。
1年目は、結果的に最後に箱根本戦に駒を進めた大会になりました。最下位の11位通過、記念枠に救われた形になりました。育成の上武大において、1年生からレギュラーになることは少ないのですが、西村選手が出走しチーム11番手229位に入りました。西村選手はその後、29分48秒のベストを出していますね。
2年目は、レギュラーとまではいかずも、出走メンバーに絡む選手が増えてきました。全日本予選で渡辺選手が1組に出走、箱根予選は渡辺・西村3人出走しましたがその3名がチーム10番手以下。あとは源川選手がどちらも補欠に入っていました。ただ、この年ついに連続出場が途切れてしまいました…。
3年目はや徐々にレギュラーとなってくる選手が増えてきましたし、1万m29分台の選手も増えてきました。西村選手の29分25秒を初め、吉田・小澤選手が29分30秒台、小川・渡辺・湯本選手も29分台でした。小澤選手は松蔭大でしたが陸上部が廃部。上武大で箱根の夢を追ったランナーです。
このうち箱根予選は西村・吉田選手が100位台中盤、小澤・小川・渡辺選手がギリギリ200位以内に入りました。予選落ちしたとはいえ、次の年に希望が持てる結果でした。その後、渡辺選手が29分16秒とチーム内で好記録樹立しています。
勝負の最終学年、全日本予選では西村・源川・渡辺選手が出走しています。秋の記録会では1万m29分中盤の記録が続出!これはいけるのでは、という機運が高まりました。
迎えた箱根予選、エース選手が稼いだ以外も、渡辺選手が55位、4年連続出場の西村選手が92位、湯本・吉田・小川選手は150位前後も前回以上、初挑戦の皆川選手も何とか206位…結果、予選14位。またしても跳ね返されてしまいました。
以前のような集団走をしっかり行っても、あと数分が短縮できず…箱根駅伝の道は近いようで遠いです。懸命に戦い続けた世代でした。進路判明分では、渡辺選手がセキノ興産でNY駅伝を追い求めます。
箱根駅伝ファンのための情報集
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