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【筑波大学】大学駅伝2019-2020振り返りと卒業生特集【箱根駅伝】

少し遅くなりましたが、

各大学の大学駅伝2019-2020シーズンの振り返りと、卒業生の特集を行っていきます。

チーム内以外ほとんど予想してなかった26年ぶり出場、最下位も多くの経験を!筑波大学です。

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【筑波大学】大学駅伝2019-2020振り返り

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全日本大学駅伝予選会2019

不出場

 筑波大は、まずここから語る必要がありますよね。こんなことほぼないと思います。全日本駅伝予選不出場(本戦シードを除く)で、箱根駅伝予選会突破したチーム…。

 関東地区の全日本大学駅伝予選会は、シード・推薦校を除いて、1万mの上位8人の平均タイムの上位20校に出場権が与えられます。筑波大は、直前までギリギリ20位に入っていましたが、締切日前日に、他の大学が記録を伸ばし、筑波大を逆転。3年ぶりに全日本予選出場を逃してしまいます。

 トラック1万mとはいえ、出場校が被る全日本予選は今の戦力を図る重要な対抗戦。この大会に出場できない地点で、関東地区の中で29番目以降。箱根駅伝出場枠の20に大きく届きません。

 この状況にチームは何時間ものミーティングを何度も積み重ねました。結果、トラック志向だった当時の駅伝主将を中心に、多くの4年生が部を離れました。この出来事に、多くの駅伝ファンは今年の筑波大は厳しい…という声が上がりました。

箱根駅伝予選会2019結果

6位筑波大10:53:18

13位金丸逸樹④63分53秒
19位西 研人③64分01秒 20位猿橋拓己③64分04秒 40位相馬崇史③64分44秒
53位川瀬宙夢⑤65分01秒 119位小林竜也①65分59秒 121位岩佐一楽①66分01秒
135位山下和希③66分11秒 159位伊藤太貴②66分32秒 184位山本尊仁②66分52秒
上位10名
194位杉山魁声②67分02秒 246位児玉朋大③67分56秒

5㎞-10km(5㎞間)-15km(5㎞間)-ゴール(7.195㎞間)
15位-12位(10位)-8位(6位)-6位(2位)

 直前の記録会はまずまずだったとはいえ、その時点でも筑波大を推す声はほとんどありませんでした。しかし、駅伝志向の選手に絞った夏合宿の質・量は格段に上がっていました。

 最初の5㎞は15位、10㎞の地点で12位に浮上すると、15㎞でなんと圏内の8位に!沿道からの情報である程度情報を得ていた出走部員は死に物狂いでラスト7.195㎞を駆け抜けます。なんと15㎞以降は全体で2番目!総合6位で26年ぶりの箱根駅伝復帰を決めました。

 個人で見ると、5選手の貯金がありましたね。特に4年金丸選手がチーム唯一の63分台で個人13位。ゴール直前まで一緒に走っていた3年西・猿橋選手も10秒前後の差、さらに学生連合出走経験のある相馬選手、医学群5年川瀬選手がスタミナを見せました。

 6番手からは100位以降も、1年生小林・岩佐選手が距離対応し66分前後、チーム8番手~10番手も66分台にまとめました。暑さに苦しむ中、筑波大は昨年よりも総合タイムを短縮、数か月で物凄い上昇がありました。

箱根駅伝2020結果と振り返り

20位筑波大学11:16:13(往路19位5:37:53、復路20位5:38:20)

1区11位西 研人③62分46秒[11]1:33
2区19位金丸逸樹④69分24秒[15]3:36
3区16位猿橋拓己③64分33秒[17]7:58
4区19位大土手嵩③65分33秒[20]11:40
5区19位相馬崇史③75分37秒[19]16:37

6区20位岩佐一楽①61分10秒[20]19:29
7区20位杉山魁声②65分38秒[20]21:44
8区20位伊藤太貴②68分22秒[20]25:41
9区14位川瀬宙夢⑤71分04秒[20]28:32
10区16位児玉朋大③72分05秒[20]30:50

 とはいえ、他校の暑さの失速も多少助けられた面はあったとの指摘は多数。高速化した箱根駅伝にはついていけず、大きく遅れた最下位になるという予想が多かったと思います。どれだけ覆せるか。懸命の準備をして臨んだ26年ぶりの箱根路でした。

1区西選手…最初が一番のサプライズですね。チームトップレベルの実力のある選手ですが、それでも1万mのベストより30秒以上早いタイムで先頭集団が通過してもまだ食らいついているのは驚きました。

 その後はさすがに少しずつ後退しますが、62分46秒の好タイムでまとめて区間11位。縦長の展開で、後ろとはある程度差がありましたし、これ以上にないスタートを切ることができました。

2区金丸選手…下級生の頃からロードで人が変わると言われていた金丸選手が堂々の華の2区。大砲がいるチームには序盤に交わされてしまいますが、10㎞29分40秒とペースを刻みます。権太坂以降に踏ん張る走りで69分24秒とまずまず。区間19位ですが、総合15位に留まります。

3区猿橋選手…秋の箱根予選で成長してびっくりした選手。一気に主力になっていましたね。スピードエース区間として突っ込んで入っていきますが、それでも序盤に2校交わされたのは悔しいところでしょうか。懸命に粘って区間16位。総合17位でタスキを渡します。

4区大土手選手…年度の途中で駅伝主将に就任した3年生ですね。箱根予選後からぐっと状態が上がりました。満を持して準エース区間4区を任されますが、残念ながら序盤から苦しい走りに。ここは勿体なかったですね。この時点で最下位にまで順位を落としてしまいます。

5区相馬選手…前年学生連合で箱根を走っている唯一の経験者。前回同様5区山登りに挑戦。流れをもう一度作り直すチャンスでした。序盤は前が点々と見える状況で追っていくつもりが、逆に開いてしまい、焦ってしまったそうですね。最後に失速したチームを1校交わしますが、区間19位は思うような成績ではなかったでしょう。

6区岩佐選手…箱根予選で長い距離に対応したルーキーの一人ですね。山下りを任されます。ただ、序盤から一斉スタート組についていけず、ずっと見た目最下位に…。11月に貧血に陥り万全ではなかった模様。何とか61分少しでまとめますが区間最下位、総合も最下位に再度転落します。

7区杉山選手…箱根予選ではチーム11番手でしたが、その後の記録会の好走でメンバーに選ばれました。単独最下位を走行する難しい場面。区間最下位となりますが、タイムは65分半ばにまとめきり、最低限度では走り切りました。ただ、前は全く見えなくなりましたかね…。

8区伊藤選手…箱根予選で好走してぐっと台頭してきた選手。力不足もあり序盤から区間最下位。遊行寺坂の時点で見た目トップとの差が18分以上になり、繰り上げスタートが気になる差に。ただ、そこから何とか切り替えてペースアップ。見た目19分少しにとどめて、復路エース区間へ襷を繋ぎます。

9区川瀬選手…医学群5年生の選手というだけあって何かと話題になりましたね。日本IC3障の入賞という経歴もあります。箱根は、エントリー回数の関係で今回が最初で最後の箱根路でした。

 繰り上げ回避に向け突っ込んで入りますが、権太坂の地点で見た目20分オーバーに。それでもそこから大きなペースダウンはなく、71分台の区間14位の粘りの走り。繰り上げには間に合わなかったですが、ユニフォーム胸にある校章を叩きながらのゴールでした。

10区児玉選手…前年度から注目の高かった3年生。少し足踏みの時期もありましたがアンカーに抜擢されます。同じ繰り上げ組に懸命に食らいつく走り。終盤に引き離されますが、懸命の粘りを見せ、それほど差なく20番目でゴールしました。

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 結果的に、総合最下位は覆せませんでした。しかし、あれだけ高速で大会新記録を塗り替えた青学大から30分ほどの差でとどまりました。区間最下位でも大きな失速なくまとめきっているのですよね。総合タイム11時間16分ほどは、10年ほど前の基準ならシード権争いもできていたくらいのタイムです。

 それでも総合最下位に個人的にはついていけず…。2区69分半ばで区間19位、5区75分台で区間19位、7区65分半ばで区間最下位…。このあたり時代の変わり目なのだなと感じぜずにはいられません。

 次の箱根路に筑波大が立てる保証はありませせんが、これを経験できたことは非常に大きいです。しかも経験者が多く残ります。次は、筑波大が最もスカウトがうまくいった世代が最終学年。勝負の年です。

【筑波大学】箱根駅伝2020年3月卒業生特集と進路

 
 いやぁ…。成績の数字だけみると、よくぞ突破しましたよね。

ここ4年間とその1年前のチーム記録

高3:予選22位
大1:予選24位
大2:予選19位、全日予選18位
大3:予選17位、全日予選16位
大4:箱根20位、予選6位

 確か数年前はトラックのスピードを箱根予選につなげることもあり、5千1万が積予方です。そして、大学2年の時に、全日本予選に久しぶりに出場して、大きな話題になったのを覚えています。

 半面、ロードは中々進まず、何とか予選20位付近と、この時点では通過に向けてはまだまだというところ。4年の夏前に退部騒動などもあったのですが、逆にチームが締まり、箱根本戦出場へ…。様々な出来事に遭遇した世代でもあります。

※川瀬選手は6年生の時の結果も含める予定です。

金丸逸樹選手

金丸逸樹14分44秒96/29分20秒57/63分53秒

高3:14分44秒96
大1:箱根補欠、予選122位、関東IChalf12位
大2:予選228位
大3:予選89位、全日予選1組28位、関東IChalf19位
大4:箱根2区19位、予選13位
進路:戸上電機製作所

 この世代、唯一の箱根駅伝出走者になりましたね。 びっくりが主要大会デビューが1年時の関東インカレハーフ、しかも12位と入賞に近づいたのは驚き。これで一気にコアな駅伝ファンの注目を集めました。1万mも春の地点で29分台を記録しています。

 期待が高まった箱根予選、1年時はチームが調整に失敗し総崩れし24位に沈没しました。金丸選手も直前で脚を痛めた影響で122位に。それでもチームトップで学生連合に選出されました。

 ただ、脚を痛めた中箱根予選を走った代償は大きく、メンバーの選考レースにも出れませんでした。それだけでなく、本人も心身ともに長い暗いトンネルに入ったそうで…。何とか少しずつ走れるようになり、2年時箱根予選に出場。228位でしたが、とにかく戻してきました。

 3年時になって本格的にレースに再度出場。2年ぶりの関東インカレハーフは19位にまとめると、昨年出場できなかった全日本予選に1組28位と粘ります。箱根予選の89位は初の二桁順位となります。

 最終学年飛躍したいところでしたが、春シーズンは苦しみます。全日本予選出場のためにタイムを稼ぎたかったところ、複数回出場も30分台にとどまり、3年ぶり出場権を逃す一因に…。

 それでも得意のロードは牙を磨いていました。最後の箱根予選で暑さをものともせず走り抜け63分台個人13位と大爆発!26年ぶり出場に大きく貢献します。その後、1万m29分20秒の3年ぶりベストで自信を深めます。

 最初で最後の箱根路は華の2区。スピードランナーにはかなわずも、自分の走りを貫き、区間19位ながら69分半ば。26年ぶり出場のチームを支えました。進路先は、これから新しい歴史を作りに行く戸上電機製作所。活躍が期待されます。

藤田黎士・池田 親選手

藤田黎士14分05秒63/30分05秒82/66分17秒

高3:14分54秒60
大1:予選366位
大2:予選334位
大3:予選272位、全日予選2組37位、関東IC5千
大4:関東IC5千

 最終的に残った4年生は僅か3名。金丸選手、植田選手、そして今から紹介する藤田選手です。藤田選手は1年時から3年連続で箱根予選に出場している選手です。ただ、最高成績は3年時の272位で長距離ロードはあまり得意ではなかったですかね。

 トラックの方が得意で、3年時に関東インカレ5千に出場。全日本予選にも出場しています。秋に5千14分05秒の大幅自己ベストをマーク。これは学部生として、最後までチームトップの成績でした。

 長い距離も、学生ハーフで66分台を出すなど、少しずつ対応していましたが、最終学年は調子を落としてしまいましたかね。一時期試合にも遠ざかっていました。11月末箱根本戦ラストチャンスにかけますが31分半ばでちょっと間に合わなかったかな?

池田 親14分21秒19/29分47秒06/64分39秒

高3:14分26秒54
大1:予選231位
大2:予選125位、全日予選1組9位
大3:予選106位、全日予選補欠
大4:関東IC5千1万

 有名な選手ですよね。中学時代、1500mや3000mで当時の中学生日本人新記録を出して、高校駅伝で有名な西脇工業に進学します。14分26秒の持ちタイムは、筑波大としては、超大物の選手でした。

 ところが池田選手、実はトラックを中心に競技したくて、関東の私立大を避けて国立大に絞ったそうで…。筑波大が箱根駅伝プロジェクトで強化していたことを知らずに進学した模様…。

 そんな中でしたが、少しずつでも力をつけていきます。特に2年時春、全日本予選への出場が決まってから半月思い切り集中、1組で個人9位29分47秒の成績を残しています。これが1万m自己ベストとなっています。

 長距離ロードも少しずつ上がってきて1年目231位から3年目106位まで浮上。この時の64分39秒のハーフマラソンが自己ベストです。その後駅伝主将に就任しますね。4年目初めて関東インカレ出場し5千1万に出場します。

 ただ、チームは全日本予選出場を逃してしまいます。箱根駅伝予選会に向けてもう一度一丸となるところ、弘山監督の知らないところで、トラック競技にエントリーして出走していたところを目を付けられてしまうことに…。

 その後、ミーティングを重ねますが、トラックをやりたいという気持ちを貫き、駅伝主将を辞任しチームを離れることに…。後にファインプレイということになりましたが、ファンとしては何とも複雑に…。188㎝の長身からの走り、万全の状態で再び見たかったです。

相澤拓実・齋藤零司・薛 玄太郎選手

 そのほか、4年夏に部員から名前がなくなりましたが、主要大会のエントリーや出場があった選手です。

相澤拓実3分50秒99/14分33秒58/31分00秒51/66分58秒

高3:14分49秒39
大1:
大2:
大3:予選246位、全日予選補欠、関東IC1500m
大4:関東IC1500m

 他の選手で一番目立ったのは相澤選手ではないでしょうか。高校時代はトラック14分49秒でしたが、大学に入ってからどんどんスピードをつけてきましたね。1500mで3分50秒の記録を持っています。

 3年時関東インカレ1500mに出場!予選通過はなりませんでしたが、レベルの高い争いを駆け抜けました。長い距離も少しずつ取り組んでいき、この年は箱根予選に出場。ギリギリ66分台で駆け抜けています。

 4年目も関東インカレ1500mに出場。日本インカレはエントリーしましたが出場回避となっていました。このあたりが最後のレースかな?

齋藤零司14分32秒74/31分28秒43/3障9分03秒55

高3:14分45秒41
大1:
大2:
大3:関東IC3障
大4:関東IC3障

 斎藤選手は3障が得意な選手でしたね。高校時代も少し取り組んでいましたが、大学は上級生になってからぐっと記録が上がってきて、3年目4年目と関東インカレ3障に出場しています。

 記録としては3年秋に9分03秒55のベスト。この時の調子で春も望めていれば決勝進出もあったでしょうか。このまま育成しても面白かったのかもしれません。

薛玄太郎32分12秒54/72分07秒

高3:15分11秒12
大1:予選421位
大2:
大3:
大4:

 もう一人、箱根予選に出場している選手がします。薛選手は高校時代15分11秒ながら、1年目に箱根予選に出場。この時は結果を残せず421位でした。その後は主要大会の出場はなかったですかね。持ちタイム的にも厳しいものがありました。

 その中で、3年時7月1500mで3分59秒の記録を出しています。少しでも走力向上できた種目があったのは良かったです。

hakonankit

箱根駅伝の魅力に3歳の頃から取りつかれ、今や全日本大学駅伝や出雲駅伝を含めた大学駅伝、その予選会。大学長距離界がとても大好きな人間です。ブログでは10年以上にわたり、追いかけています。