随分と遅れましたが、
男子のMGC中心に、じっくりとまとめてみました。
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1位ビルハス レゲセ2時間4分15秒 エチオピア
2位バシル アブドィ2時間4分49秒 ベルギー
3位シサイ レマ2時間4分51秒 エチオピア
4位大迫 傑2時間5分29秒 Nike 日本新記録
5位ビタン カロキ2時間6分15秒 横浜DeNA
6位エルハサン エルアバシ2時間6分22秒 バーレーン
7位アセファ メング ストゥ2時間6分23秒 エチオピア
8位高久 龍2時間6分45秒 ヤクルト
以上上位8位
9位上門大祐2時間6分54秒 大塚製薬
10位定方俊樹2時間7分05秒 MHPS
11位木村 慎2時間7分20秒 Honda
12位小椋裕介2時間7分23秒 ヤクルト
13位下田裕太2時間7分27秒 GMOアスリーツ
14位菊地賢人2時間7分31秒 コニカミノルタ
15位一色恭志2時間7分39秒 GMOアスリーツ
16位設楽悠太2時間7分45秒 Honda
サイモン カリウキ2時間7分56秒 戸上電機製作所
岡本直己2時間8分37秒 中国電力
倉田翔平2時間8分44秒 GMOアスリーツ
藤川拓也2時間8分45秒 中国電力
岩田勇治2時間8分45秒 MHPS
大石港与2時間8分52秒 トヨタ自動車
宮脇千博2時間9分04秒 トヨタ自動車
井上大仁2時間9分34秒 MHPS
山本憲二2時間9分41秒 マツダ
非常に速いペースで2つの集団が推移しまいたね。2時間3分台が狙える集団、そして日本記録あたりの2時間5分後半が狙えるペース。放送ではほとんどトップ集団が映っていましたが、第2集団もかなりの有力日本人ランナーが見え隠れしていて、非常に緊張感があるレースでした。
その中で、トップ集団の先頭付近にMHPS井上選手、後方に日本記録保持者でありMGC3番手のNike大迫選手がずっとマークし続けているのは、陸上長距離ファン、大いに盛り上がったのではないでしょうか。
ポイントとなったのは、20㎞を過ぎて、更にペースアップする先頭集団に、大迫選手が一歩引いた場面。ここで一瞬は、大迫選手が苦しい、井上選手がそのまま行くのかと思われました。いや、大迫選手本人も「ちょっと無理かな」と思ったとか。
大迫選手が凄いのは、瞬時に冷静に今残っている自分の力を見極めて、ペース配分を組み立てなおして走りに集中しなおしたこと。31㎞過ぎに5位争いとなっていた集団に戻り、一気にスパートして更に前を追随していきました。わき腹痛も何とか対処して、2時間5分29秒の日本新記録!2度目の更新はお見事でした。
記録自体は、井上選手が先頭集団についていったからこそというのは確かですが、それでもあの冷静な判断力は日本代表に相応しいのかなと思います。MGCではプレッシャーや大迫選手に注目が集まった中、うまくいかなかったですが、成長の糧にするのですから…。
やはり現役日本人ランナー第一人者であり、プロマラソンランナーとしても日本第一人者だなと感じました。(コロナの影響で五輪開催が微妙になっていることは置いておいて)最終的に彼が五輪ランナーに選ばれて良かったと思います。
元々注目が高かった井上・設楽選手あたりは最終的に離れ、日本人2番手はそこから1分半近く離れました。いかに大迫選手の競技パフォーマンスが日本人の中ではとびぬけているのかが分かります。
その上で、全体的にタイムが伸びるようになったのは何より。2時間9分台10分台がベスト記録だったヤクルト高久・大塚製薬の上門選手が2時間6分台を出したのは驚き。走り込みで上がってきて、MGCには出場していた選手ですが、ここまで強かったとは。
さらにMHPS定方選手がここまでタイムを出す選手になるのはびっくり、Honda木村選手もいつのまにここまでマラソン特化していたのかと感じる2時間7分前半。そして、ついに青学大OBがきましたね。ハーフマラソン日本記録保持者となった小椋選手に、下田選手、一色選手が2時間7分台。一時は日本人3番手単独走のコニカ菊地選手も粘り切りました。
そして前日本記録保持者の設楽選手は2時間8分切。最後の疲労抜きの調整でうまくいかなかったそうですが、2時間8分切で順位的に目立たなくなるほど高速化するとは…。他にも明大OB初のサブテン&35歳以上での日本人記録となる中国電力岡本選手、トヨタベテランになりつつある大石・宮脇選手らも頑張りました。
挑戦したMHPS井上選手はその後方で精魂尽き果てた形でのフィニッシュ。でも今回は次にすぐにいけそうなのは何よりです。シューズなどいろいろ言われていますが、一つ上のレベルに日本長距離界が行けたことは確かです。
土方英和④2時間9分50秒 國學院大
小森稜太④2時間12分18秒 帝京大
藤曲寛人④2時間12分24秒 順天堂大
國司寛人2時間13分54秒 名古屋大
安藤貴信2時間16分41秒 北九州市立大
橋立 旋④2時間19分05秒 上武大
伊藤裕世2時間20分55秒 関西学院大
木邑 駿2時間21分19秒 広島経済大
そして学生陣も例年以上に頑張りましたね。注目が高かった國學院土方選手がやりました!帝京小森選手と共に日本記録ペースについていき、土方選手は30㎞通過1時間29分50秒。そこからさすがに苦しくなりましたが、初マラソンでサブテン達成!國學院大の4年生が凄い!
そのあと後半はやや落ちましたが、帝京小森選手が2時間12分台で粘りフィニッシュ。直後、順大藤曲選手も長い距離の適性を見せました。他、名古屋大國司・北九州市立大安藤選手ら地方の学生選手もなかなかのタイムで走っています。学生も挑戦しやすくなっています。
1位エバンス チェベト2時間7分29秒 ケニア
2位スティーブ モコカ2時間8分05秒 南アフリカ
3位フィレックス キプロティチ2時間8分48秒 ケニア
4位作田直也2時間8分59秒 JR東日本
5位山本翔馬2時間9分18秒 NTT西日本
6位アルフォンス フェリックス2時間9分23秒 タンザニア
7位奥野翔弥2時間9分23秒 トヨタ自動車九州
8位其田健也2時間9分50秒 JR東日本
9位フィレックス ケモンゲス2時間10分08秒 ウガンダ
10位吉岡幸輝2時間10分13秒 中央発條
11位松本 稜2時間10分32秒 トヨタ自動車
12位鈴木健吾2時間10分37秒 富士通
14位荻野皓平2時間11分27秒 富士通
15位谷原先嘉2時間11分39秒 大阪府警
16位辻野恭哉2時間12分04秒 NTN
18位坂田昌駿2時間12分36秒 中央発條
19位藤村行央2時間13分07秒 住友電工
20位早川 翼2時間13分46秒 トヨタ自動車
21位佐藤 歩2時間13分57秒 MHPS
25位川内優輝2時間14分33秒 あいあおいニッセイ同和損保
30位大塚祥平2時間15分36秒 九電工
東京五輪を狙う選手は、記録が狙える東京マラソンに集中したこともあり、びわ湖毎日マラソンは次の五輪や世界選手権を見据えている選手たちが出場しました。
冷雨に見舞われましたが、走っている選手のハートは暑かったですね。富士通の鈴木選手を中心に2時間8分前後が狙えるペースで多くの選手が疾走。
30㎞を過ぎてからは縦長になりましたが、抜け出してきたのはJR東日本の作田選手!NY駅伝でエース区間で戦うなどぐっと力をつけてきていましたが、一気に力をつけてきましたね。
元々、順大陸上部に一般入試で入部。当時の実力は5000m15分台でしたが、長い距離の適応は速かった。2年時に箱根予選98位で走ると、3年時箱根アンカーで好走、最終学年もアンカーでしかも区間賞!そのころから、2024年2028年のオリンピックをマラソンで目指すと宣言していました。
昨年の長野マラソンで2時間11分ほどで走りましたが、そこからさらに走力を高めてきていましたね。目に見えない努力をしてきていると思います。本人にもチームに好影響があるころでしょう。
日本人2番手はびっくり!大東大⇒NTT西日本の山本選手が2時間9分18秒の好タイムで初マラソン完走。トヨタ自動車九州奥野選手、さらに中央発條吉岡選手も好走。彼も順大で箱根復路を経験したばかりなのですが、今回は復路の順大がOBで活躍しています。
全体的に大学時代からロード型のランナーというイメージが強い中、作田選手と同じJR東日本其田選手が見事な走りで2時間9分台。スピード型のイメージでしたが、距離を伸ばしてきましたね。
他では勝負に行った鈴木選手はある程度安定、それから大阪府警の谷原選手も久々に名前を見ましたね。おあつらえ向きの天候だった川内選手、それからMGC4位の九電工大塚選手の失速が残念だったですが、おおむね盛り上がったと思います。
学生結果
古川大晃2時間19分32秒 九州大
岩佐快斗④2時間19分51秒 中央大
山田直樹③2時間19分57秒 日本薬科大
中島幸蔵④2時間21分08秒 学習院大
三木海刀④2時間21分26秒 芝浦工業大
小田淳史2時間23分34秒 愛媛大
石田光一2時間24分36秒 東京経済大
黒川大輔2時間25分28秒 京都産業大
飯田 豊④2時間25分28秒 上智大
雨宮大地④2時間27分15秒 明治学院大
川口大聖2時間28分39秒 北海学園大
東京マラソンより有力ランナーは少なくても、2時間20分付近でまとめるランナーは多いですね。実力者の九州大古川選手はさすがの実力、中央大の卒業生の一人岩佐選手は箱根は走れませんでしたが、4年間培った走力を見ました。学習院中島・芝工大三木選手もそうですね。
それから日本薬科大の山田選手は、箱根駅伝の関東学生連合に選ばれた選手の一人ですね。長い距離のほうがいい選手とのこと。次年度が楽しみですね。
MGCのシステムは面白かったと思いますし、記録の口上にもつながりました。そして、選ばれた顔ぶれは結構納得できると思います。
男子は、暑さ&残り数キロからのスパートは日本最高峰の富士通中村選手、長い距離の積み重ねで苦手を克服してきたトヨタ自動車服部選手、MGC期間中に日本記録を2度更新したNike大迫選手。
女子は、暑くてもある程度のスピードでひたすら押していける天満屋前田選手、トラックのスピードを徐々にマラソンに活かしつつあるJP郵政鈴木選手、最後のレースで逆転で勝ち取り爆発力が魅力のワコール一山選手。
現時点では、いい選手を選出できたと思います。
メダルは難しい、マラソンを少し見ている人はおそらくそれは分かっていると思います。入賞もなかった2016年リオ五輪からすると、僅かに記録の向上はありましたが、それでも入賞まで行ければ御の字と感じています。
そんな中、少しでもメダルを引き寄せるには、今回の東京マラソンの大迫選手のような走りが求められるのではないかと思います。序盤は上位集団にはいるも、そこまでは目立たず、周囲を見ながらレースの流れを見ていく、
そして、自分の余力と残り距離を見ながら、最大出力を出していく…当たり前ですが、大舞台だからこそ制御るする力が求められます。これをどこまで徹することができるか。これが徹底できれば、僅かですがメダルへ近づけると思います。
今は東京五輪が開催されるかどうか、そういうところからになりますが、とにかくできる準備をしていくしかないのかなと思っています。ファンとしても静かに待っています。