日に日に寒くなり、第96回箱根駅伝2020が迫ってきているのを感じますね。
箱根駅伝エントリーの日まで、強豪校を中心に、それぞれ本戦で個人的にキーとなる選手を何人か紹介します。なお、敢えてエース選手以外とします。
続いて、全日本大学駅伝で見事に優勝!選手層の面では、5強の中で一番と見える東海大学
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全日本駅伝で優勝して以降、各記録会で新戦力が台頭してきていますね。
その中で、今年の箱根駅伝で、優勝に大きく流れを作った選手、そしてこの秋は苦しんでいる2選手を紹介します。
この2選手が復調すれば、連覇はかなり近づく、中々他校も用意できないレベルのランナーです。
自己ベスト
5000m13分53秒93
10000m29分15秒38
ハーフ62分28秒
高校時代主要大会
高校駅伝6区2位
都道府県対抗駅伝5区9位
大学時代主要大会
1年時
箱根駅伝6区8位
2年時
関東インカレハーフ12位66分00秒
全日本予選2組5位30分18秒20
箱根駅伝6区2位
都道府県対抗駅伝7区29位
3年時
2019日本学生個人4位13分54秒52
日本インカレ5千20位15分05秒59
出雲駅伝3区12位
箱根駅伝6区2位
その他
2016.5月5千14分06秒95
2016.10月1万m29分26秒18
2017かながわハーフ63分12秒
2017びわ湖毎日マラソン出走
2017上尾シティハーフ63分34秒
2018上尾シティハーフ62分28秒
2019熊日30㎞95分23秒
2019日本学生ハーフ63分44秒
2019仙台国際ハーフ68分37秒
2019日本個人5千32位15分12秒72
2019上尾シティハーフ69分21秒
山下りの盟主
中島選手は、箱根駅伝で山下りで大活躍している選手。1年時から登場し、前回は58分06秒と当時の区間記録に迫る走りをして、その後逆転に向けての勢いをチームに付けました。
ちなみに、それ以前に、大学に入ってすぐ1万m29分台を記録、夏を超えた高島平20㎞では60分台。びわ湖毎日マラソンにも1年時に挑戦するなど、長い距離での適性も多分に見せていた選手。この長距離の強さも支えているのでしょうか。
長い不調に見舞われている今季
そんな中島選手ですが、4年生になってすぐ、一気に不振に陥ります。何度試合に出ても成績が上がらず、やがて試合にも出れなくなるほどになりました。本人もチームにも大きな痛手ですよね…。
出雲駅伝や全日本大学駅伝のエントリーは勿論、陸上競技マガジン大学駅伝2019秋号では選手名鑑にも乗らず…今年度は厳しいのかなとも思われました。
上尾ハーフで試合復帰
そんな中、先日の上尾ハーフで久しぶりに試合出場へ。タイムは69分台。5㎞16分台を懸命に刻んでいくレースでしたが、駅伝ファンとしては待ち遠しいものでした。
箱根駅伝で活躍するところまで状態を上げていけるかは分かりませんが、少なくとも長距離と下りのセンスは抜群。箱根へ向けて仕上げていくのもチームに大きな刺激になるはず。
往路はおそらく混戦。復路のスタート6区山下りももちろん大事な区間になってきます。近年はレベルも上がってきていて、総合優勝するには58分台は条件になりつつあります。
その中で58分前半以内を期待できる選手はそう多くありません。中島選手の復調をギリギリまで待ちます。
自己ベスト
5000m13分41秒09
10000m30分12秒64
ハーフ62分32秒
3000m障害8分29秒95
高校時代主要大会
高校駅伝1区5位
都道府県対抗駅伝1区5位
大学時代主要大会
1年時
関東インカレ1500m2位
日本インカレ1500m11位
2年時
日本選手権1500m出場
日本インカレ5千3位
出雲駅伝1区1位
箱根駅伝2区7位
3年時
関東インカレ3障4位8分51秒94、5千10位
日本選手権3障4位8分45秒23
箱根駅伝7区2位
4年時
関東インカレ3障1位8分44秒29
日本選手権3障1位8分29秒85
ユニバーシアード3障6位8分41秒64
出雲駅伝2区6位
その他
2016日本学生個人1500m2位
2017日本学生個人1500m5位、5000m1位
2017ホクレン5千13分41秒09
2018都道府県対抗駅伝3区6位
2018上尾シティハーフ62分32秒
2019都道府県対抗駅伝7区9位
2019世田谷ハーフ76分35秒
1500mで伸び、そして3000mSCで日本トップへ!
阪口選手程、中長距離の素質の塊と言える選手はそうそういないと思います。トラックで言えば、まず大学下級生の時には、1500mで頭角を現しているのですよね。関東インカレでいきなり表彰台に立つなどの活躍でした。
それが2年ホクレンで、3障に挑戦しいきなり8分37秒の好タイム!3年時からは3障でインカレを超えて日本選手権などでも活躍。
特に今季は、日本選手権決勝で8分29秒85と素晴らしいタイム!あともう少しで、2019ドーハ世界陸上標準記録を切るようなタイムでした。
夏には海外レースを転戦し、さらに記録を狙いにレースに出場しました。残念ながらあと一歩で出場を逃しましたが、これからの可能性を感じました。
ロードでもアップダウンに強く駅伝で活躍!
そして、ロードも非常にセンスがあるのですよね。高校時代は、全国駅伝で1区5位などの成績もあり、駅伝でも大いに期待が高まりました。
大学駅伝デビューは2年時でした。直前のホクレンで5千13分41秒のベスト、日本インカレ5千3位に入り、期待が高まったところでした。独走の1区1位で、チームを出雲駅伝優勝に導いたのは、高いインパクトです。
箱根駅伝も走り、10㎞以上のレース経験は少なかった中、いきなりエース区間2区に抜擢!さすがにエース選手には離されたものの、68分台の区間7位にまとめきったのには、大いにセンスを感じました。
3年時は夏前のトラックレースで長期戦線離脱。それでも11月ハーフで62分台をマークすると、箱根駅伝は7区へ。故障上がりとはいえ、前年2区選手が走るのは、他校からすると驚異。
2位でタスキを受けると、トップのチームを大きく追い上げて、次の区間へ襷リレー。次区間で逆転おぜん立てをしました。彼が好走すると東海大は駅伝で優勝するのですよね。
秋になって腰を痛めた中…
3障で活躍し、今年の秋も期待が高かったですね。両角監督も、出雲駅伝で阪口選手がキーマンとあげるほど。他校と差を付けるために2区に置きました。
ただ、腰に不安があったこともあり、ペースが上がり切らないまま他校の選手に利用され、途中で置いて行かれてしまいました。
全日本大学駅伝は当日区間変更でメンバーから外れました。以降、試合では世田谷ハーフで調整走を行ったのみ。果たして正月までにどんな仕上げになってくるのでしょうか。
最高値は非常に高い選手ですし、走れる状態であれば、とても面白い。スピードもあり、アップダウンもこなせるのは、箱根駅伝で欠かせない存在。彼が万全の状態で戻ってくるのを待ちたい。
今回は、前回の箱根駅伝優勝メンバーから、他校に大きなアドバンテージを取った6区7区の選手の2名を紹介しました。
東海大は、本当に今選手層豊富なんですよね。スピードランナーの4年西川3年塩澤選手が前半の区間でしっかり流れを作っていますし、ポイントで光る小松選手も上がってきました。
さらに長距離を中心に鍛えている選手で3年名取選手が大きく台頭、いきなりエース選手になりました。脇を固める4年松尾・郡司、3年鈴木選手あたりも楽しみ。
そして山登り西田選手が一段と平地の走力をつけてきました。出雲も全日本もガンガン前へ突き進んでいました。山登り5区でさらにアドバンテージが取れるはず(中島選手と、上り下り両方貯金できれば…)
さらにルーキー松崎選手も長距離ロードで一気に開花しそうな気配。昨年と同様、秋が深まるにつれ、東海大がどんどん上昇気流に乗ってきています。
そして…阪口選手らスピードランナーがどうなるかですね。鬼塚・館澤・關選手らも全日本駅伝は全員欠場。トラックも駅伝も毎年活躍していた選手が、疲れが溜まっているようでした。
彼らが箱根までに復調すれば、メンバー争いはさらに激化。今年の箱根や全日本駅伝のように、選手層で圧倒することは十分にあり得そうです。