関東ICでは山学大の主力の躍進がありましたよね。ニャイロ選手は勿論、上田・市谷選手がしっかりと入賞を果たし、1500mでは秦選手が優勝するなど、高い存在感がありました。迎えた全日本予選は4組3組はとても強いとの声、反面選手層がどうかとの声がありました。レースはローペースの中、最初の組では2年生の永戸選手が5位に食い込む健闘、2組に配された上村・伊藤選手の4年生がトップにとても近い成績を残します。穴と言われたところでもしっかり上位につけます。あとはニャイロ・上田選手がとても安定した成績、それと遅れていた実力者の佐藤選手も上位できっちりまとめきり、見事にトップ通過。通過だけでなく上のステージで戦える力があることを示しました。
直前の記録会で1万では佐藤選手が、5千では秦選手が大幅に自己ベストを更新する走りを見せ、もしかすると優勝できるのでは…。レース前は、そんな声も聞かれるくらい期待が高まった。大学駅伝初のスターターを任された上田選手が区間3位と素晴らしい出足を見せます。ただ、秦選手が区間3位ながら青学と東海の選手に引き離されると、3区向かい風で単独走となった佐藤選手がじりじりと引き離されてしまいます。市谷選手と初駅伝の永戸選手が懸命に踏ん張りニャイロ選手にちょうど1分差で繋ぎます。かなり飛ばして前を追ったニャイロ選手は東海大を交わして2位に上がるも青学には31秒届かず。2年連続2位となりますが、悔しさ漂う出雲路となりました。
迎えた箱根路、往路優勝候補にはあげられていたと記憶している。ニャイロ選手を序盤で序盤で使えるし、勝負をかけたでろう5区上田選手らエースでしっかり勝負できれば面白いと思われていました。駅伝ファンが大いに盛り上がっていたその頃、山学大を悪夢が襲っていたとも知らず…。
駅伝ファンにもはっきりと異変を感じ取れたのは当日のオーダー変更でした。変更で1区に入ると思われた佐藤選手が入らず。スピードはあるが長い距離で実績が少ない伊藤選手が1区そのまま、更に故障明けで復路のどこかで間に合えばと言われていた上村主将が準エース区間4区…。首をかしげる中スタートの号砲、伊藤選手は5㎞過ぎのペースアップのあと程なくして遅れだし、3分近く後れ最下位のスタート、ニャイロ選手の追い上げに注目が集まりましたが、12月中旬の怪我で万全な状態ではなく区間9位の走り、2つ順位を引き上げるのがやっとだった。
3区永戸選手が序盤から飛ばし、最後は疲れたものの総合16位へ。4区上村主将はぐんぐん順位を上げ、中間点過ぎで10位を視界に捉えたときは流れが良くなったと思われました。ところが、ラスト3㎞で低体温症に陥ってしまい、襷を渡すのにも苦労をする状態に。5区上田選手は急遽の5区で持ち前の安定感を発揮し区間7位と好走したものの、シード権は2分差をつけられました。総合力で戦うタイプではないだけに厳しい戦いが予想されました。
復路、佐藤・河村選手、そして市谷選手も走れないことが判明する頃には状況が明らかになってきました。直前にインフルエンザが蔓延し主力にも感染者が出ていたとか…。とにかく全力で挑むしかない、6区秦選手は故障明けで区間14位のスタート、7区久保選手が頑張り総合14位にアップしたのが最高成績。8区小山9区古賀選手が区間18位で鶴見中継所で繰り上げに。10区熊谷選手は繰り上げの集団を引っ張るも後半失速、上位候補にあげられたチームがまさかの見た目最下位でのゴール…箱根の怖さを強烈に思い知らされました。
レース直後の上田監督の檄はとても印象に残りました。また、急に走ることになった選手もどれだけしっかり準備をしてきたのか、そういう厳しい問いもあったそうです。もう這い上がるしかありません。チーム一丸となって、強い山梨学院大の復活を遂げてほしいです。